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2005年6月7日、参議院環境委員会にて3回目の国会質問を行いました。
環境委員会 議事録:20050607
参考人 福岡大学法学部教授 浅野直人君、NPO法人気候ネットワーク代表 弁護士 浅岡美恵君、日本電気株式会社エグゼクティブ・エキスパート(全社環境戦略担当) 山口耕二君、NPO法人地球
環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事 早川光俊君
本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
出席者は左のとおり
委員長 郡司彰君 理事 大野つや子君、真鍋賢二君、谷博之君、加藤 修一君
委員 阿部正俊君、狩野安君、関口昌一君、 大石正光君、芝博一君、島田智哉子君、林久美子君、福山哲郎君、鰐淵洋子君、市田忠義君、
国務大臣環境大臣 小池百合子君 副大臣環境副大臣 高野博師君、大臣政務官 環境大臣政務官能勢和子君
事務局側 常任委員会専門員 渋川文隆君
参考人 福岡大学法学部教授 浅野直人君、NPO法人気候ネットワーク代表 弁護士 浅岡美恵君、日本電気株式会社エグゼクティブ・エキスパート(全社環境戦略担当) 山口耕二君、NPO法人地球
環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事 早川光俊君
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件 ○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員長(郡司彰君)
ありがとうございました。以上で参考人の皆様からの意見の聴取は終わりました。これより参考人に対する質疑に入ります。各参考人の皆様にお願いを申し上げます。御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言をいただくようお願いをいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔な御答弁をお願い申し上げます。それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
温室効果ガスの算定・報告・公表制度について
○関口昌一君
自由民主党の関口昌一です。こうして大変、参考人の方々、お忙しい中貴重な御意見をいただきまして、私も本当に参考になった次第でありまして、まずお礼を申し上げる次第であります。各会派、限られた時間での質問ということでございますので、簡潔にさしていただければと思いますが。今四名の方々の、参考人の方々、今回の法改正の最大の柱でありますこの温室効果ガスの算定・報告・公表制度について、まあいろいろ条件もあるけれども評価をするということであります。これをどのように活用していくか、そうしたことをどのように考えていらっしゃるか、それぞれ四人の参考人から御意見を伺いたいと思います。
○参考人(浅野直人君)
公表制度ができますと、公表制度といいますか、ともかく報告をしていただくということで、全体として今までのように統計資料でどのぐらいの温室効果ガスが排出されているかということを言わば外から見ていたわけですが、中から半分でも分かれば、外から見るものと中から見るものと両方を合わせることによってもっと大胆な推測ができるだろうと、これまでよりも早い段階で精度の高い排出の予測ができるだろうということを大いに期待しています。何しろ、二年前の話をしていますが、二〇〇三年は夏が寒かったが、昨年は物すごく暑かったわけですが、昨年、多分物すごく排出量が更に増えたんだろうと大変不安を持ちながら、全然数字がつかめないわけですね。こういう状態を早く変えていくために大胆な推計をしなきゃいけないんですが、従来は本当に再現性があるかどうかということをチェックする方法がなかったわけですね。これによって再現性がかなり把握できますので、モデルをつくって推計することができる、この辺りにまず第一にかなり大きな期待を持っております。
○参考人(浅岡美恵君)
これはいろんな面で大変重要な資料であります。事業者の皆様が自ら把握することが大変そのきっかけになることは言うまでもないのでありますけれども、私どもがお示しいたしましたような排出の実情というものは、政策はどのようにあるべきかということを考える基礎であろうかと思います。これ見ますと、相当規模の排出をいたします発電所、鉄鋼、石油の精製等あるいは製紙業等、今の第一種、第二種事業所、一万、例えば事業所を合わせましても、数でも限られる、半分、そのうちの大半が百か二百の事業所であると。こういう状況を見ますと、そうした大規模排出事業所に取られるべき政策と、その余の半分近くのもの、それが中小事業所と、それから二〇%分ぐらいが国民の生活の中に係るわけであります。それは数百万という事業所あるいは一億人という人についての政策でありますので、やはり基本的な考え方が異なることはよく分かるわけであります。それに合わせて適切な政策を取られること、また事業所ごとに排出量が把握できますことによりまして、どのようにどこが取り組んでいるのかをよく我々は評価をできます。発電所のCO2排出量が多いから、高炉が多いからいけないなんということを言う人はだれもいないわけであります。その中で、なぜここは減っているのか、なぜ増えているのか理解しながら、そして全体として増えているのであれば、我々は、国民はどのようにこれに取り組むべきなのか。相互に理解、協力が深まり、あらゆる主体での取組の、何といいましょうか、理解や協力や自主的取組の深さが変わってまいると思っております。
○参考人(山口耕二君)
今回の制度は算定、報告、公表と、この三本柱で構成されていると実は私ども認識しております。したがいまして、今回の制度で最も私どもが効果を期待したいと申しますのは、行政とか社外に報告するためには、実は社内において統一したルールで自らが温室効果ガス排出量を把握しなくちゃいけないわけでございます。言い換えれば、算定する仕組みが企業にないと報告もできないと。データがなければ公表もできないと。そういう意味では、企業の中で温室効果ガスを算定する仕組みがつくることができるという意味では非常に期待しているわけでございます。また、一方、社内において排出量を算定するためには、その温室効果ガスを管理するシステム若しくは対策、目標の設定等々、温暖化対策のためのプラン・ドゥー・チェック・アクションを企業が回すようになると。そういう意味では、公表制度のみならず、公表の原点でございます算定という意味では、特に、これからどうやったらいいか分からない、まだまだ不十分な企業にとってみましても非常に効果があるのかなと。また、公表によりまして社内及び社外に私どものCO2等々の排出量が可視化されるわけでございまして、したがって、温暖化を行う際の非常に緊張感若しくは改善に対する意欲が社内でも高まってくるのかなと、このように思っております。
したがいまして、今回は特に工場の公表制度ということでございますけれども、今後、こういう情報を公開する、算定するという制度が家庭のCO2の定量化、先ほど早川参考人の資料の中にも環境家計簿という言葉もございましたけれども、そういうところにつながる。若しくは、運輸部門、これは非常に難しゅうございますけれども、運輸部門にもこういう制度がつながれば、その民生・運輸部門の対策にもつながるのかなと。
そういう意味では、公表も大事だけれども、その原点の算定が企業で進むということでは非常に我々は期待をし、また頑張ろうと考えている次第でございます。以上でございます。
○参考人(早川光俊君)
私は、すべての対策、行動の前提が、まず排出量の把握だと思っています。その意味では、産業界であれ、企業であれ、自治体であれ、それから市民であれ、この制度は非常に重要な制度だと思っています。一方で、私は市民セクター、NGOをやっていますので、私たちがこの公表制度をちゃんと利用できるような責任も一つ負わされたかなと思っています。やはり、私たち、こういった公表された資料をきちっと使って、私たち市民が政策提言ないし行動に結び付けていくことが私たちの責任だというふうにも思っています。以上です。
○関口昌一君
今いろいろ御意見を伺ったんですけれども、実際、六%削減という話ですよね。でも、この十五年度の状況を見ると約八・三%増加している。これトータルすると、六%目標達成のためには一四・三%の削減が必要になると、二〇一〇年ぐらいですか。大変な今事態になっているということであります。そうした中で、今、浅岡参考人からもお話しいただきましたけれども、今回のこの公表制度、まず事業者がそのガスの排出量を把握するというのは、削減に向けてのまずスタートができたかなと思っております。温室効果ガスの算定・報告・公表制度についてうした中でも、まだ約半分、あと中小の事業者の方々の対応とか、それから、私はここでちょっと質問してみたいんですが、特に、とりわけ温室効果ガスの排出、家庭部門が約二割、急速に伸びが著しいわけでありますけれども、こうした国民の皆さんの協力を得るというのは大変なことであるかと思うんですが、そうした家庭部門に対する対策とか国民に対する協力、どのような形で求めていったらいいか、それぞれ四人の参考人の方々に御意見を聞かせていただきたいと思います。
○参考人(浅野直人君)
ほぼ原単位というようなこれまでの施策の枠組みでやれることはかなりできていると思うわけです。ですから、これから先は、もうそういうような、何というんでしょうか、表現は悪いんですが、ややハードっぽいところでの対策ですべて解決をするという発想は捨てなきゃいけない。つまり、やっぱり人々の行動そのものを変えるということが必要です。そのために、ともすれば教育とか啓発とかというようなことだけが言われてしまうわけで、このこと自体は決して無意味ではありませんし、私もこんなふうに札をぶら下げて歩いていればそれなりの宣伝にはなるとは思いますけれども、残念ながら、総理がどんなにネクタイを締めて歩かれても、飛行機の中では私以外はみんなネクタイを締めているという状態ですから、啓発というのはもちろんやらなきゃいけませんし、やって、そのうちに必ず時間がたてば効果が上がるんでしょうが、それのみでは済まないだろうと。やはり、まじめに努力をする者はそれなりに利益がある、ふまじめな者は損をするということがはっきりしていきませんと駄目だと思います。つまり、福岡市は大変な節水ができているわけですが、それは水道料金がめちゃくちゃに大量に使う者には多く掛かる仕組みになっていますから、だから知らず知らずにそれが習慣になってしまったと。全国で二番目に市民一人当たりの節水率が高いと言われていますが、実際は市域人口などを考えると日本一だと思います。そういうようなことからも分かるように、やはり人々の行動を変えていくということのために、啓発普及ということだけじゃなくて経済的なインセンティブを与えるということが必要です。ともすれば税を取るというようなことだけが言われるんですけれども、しかしそこで公平さと不公平さみたいなものの調整ということを同時に考えていかない限り、幾ら啓発普及しただけでも駄目であると。両方を考えなきゃいけないんですが、現在のところ、どうも一方だけが進んでしまっている。このことが多くの方々になかなか身をもっては感じていただけない。映像で見て大変だということは分かるんですが、じゃ自分は何をしたらいいんだろうかということがさっぱり分かってこないわけです。ですから、やはり広い意味での環境税というんでしょうか、経済的負担を課す措置と同時に、経済的な利益を、優遇措置を与えるということが、両方がバランスよく導入されていくということを早急に検討する必要があると、このように考えております。
○参考人(浅岡美恵君)
私は、京都府、京都市の環境行政にもかかわりまして、京都府地球温暖化防止活動推進センターの運営委員をしておるものでありますが、そこで今般強く打ち出しておりますのは、中小事業者対策といたしましてKESという京都で開発をいたしましたISOの簡易版であります。これを普及できるように行政も支援をしようと。これはISOと違いまして二十万円ぐらいで取得できまして、年間の管理費も五万円ぐらいのものなんですが、それでも事業者の方が若干まだ負担に思うというところがあるようであります。これが今、京都等で数百社普及しておりますけれども、確実に排出量をまず把握をするわけです。義務ではありませんが、把握いたしまして、そして削減効果が出る、次のチェック体制もできるというふうになってきています。
家庭におきましてはもう少し緩やかにはなりますが、同じことでありまして、やはり環境家計簿等自ら把握をする。そして、私が消費者団体の皆様と今一緒に東京都でも取り組んでいただこうとしているわけでありますけれども、都内でも、温暖化に皆様貢献しようというお気持ちがあれば、電気代、ガス代、水道代を節約してくださいと。どうすれば節約できますかと。それは奥様いいことです。どうすれば節約できますかと。いろいろ小まめにチェックすることもそうですけれども、やはり先ほども申しましたように、効率のいい機器をいずれ来る買換え期には必ず選択をいたしましょうと。いずれある家を建て替えたりリフォームするときにはしっかり取り入れましょうと。それはやはりちょっと高い、高いところ、ランニングコストを考えれば、機器の購入におきましては十分帳じりは合うのですが、家はなかなか大変ですけれども、でもそこにいま一歩背中を押す制度として、先ほど浅野先生もおっしゃられましたように、やはり不足感といいますか、損をする感じがより軽減され、むしろ得になると、こういうふうに感じられることというのが大変重要ではないかと思っております。
○参考人(山口耕二君)
家庭部門の対応、それから国民への働き掛けという御質問であったわけでございますけれども、やはり国民の意識を変革させるためのあらゆる策をやっぱり検討するべきではないかなと、このように思っております。具体的には、まずは運動が国民に見える形にする、それから継続性を持つ、それから簡単にだれでも参加できる、こういう意識改革運動が非常に重要ではないかなと、このように思っております。
具体的に申し上げますと、今回のクールビズ、非常に何となく格好いい、意味は最初分からなかったんですけれども、よくよく聞くと格好いいなと。それから、チーム・マイナス六%。こういう多くの人が何か変わっているなと、そういう見える形での環境づくりが非常に大事なのではないかなと、このように思っております。
実は、具体的には、今日、私、こちらへ参りますときにエレベーターに乗っておりましたら、実は私ども環境スタッフはもう今クールビズを六月一日からやっているわけでございますけれども、乗ってきた人間が、年配者と若いのが、若いのがクールビズをやりましょうよと。その二人は実はネクタイをして背広着ているわけでございまして、私はこういう格好でエレベーター乗っておりまして、若い人が、クールビズを先輩やりましょうよと。いや、お客さんと会うときネクタイないとまずいんじゃないかと。私はすかさず、いや、そうじゃないと。みんなでやっているんだから全然お客さんに失礼じゃないよと。こういう見える活動から始めていくということが私は非常にいいのかなと。そういう意味では、いろいろな議論はあるかも分からないですけれども、クールビズとかチーム・マイナス六%は非常にいいと思いますし、特にクールビズにつきましては、私ども電機・電子業界挙げて取り組もうと。既に工業会の会長名で各社に通達を出しまして、なかなかこういうのは通達がないと会社の社長も動かないケースもたまにございますので、まずは通達送れと。あと、やるかどうかは各社の判断で決めればいいわけでございますけれども、そういうことで働き掛けをすると。それからもう一つ、家庭においては、弊社では環境家計簿を大々的に導入することを決めました。一応、対象は十万人を対象にして、最低でも一万人の社員が環境家計簿を付けて、それでどの程度CO2ダイエットができたのかを測らそうと、そういう仕掛けもいろいろとしております。したがいまして、政府が率先していろんな活動をやっていただけるのも非常に有り難いことでございますけれども、工業会とか経済団体とか連合とか、そういうところも社員、家族を交えて意識改革を見える形で継続的に進めていくということがまずはスタート点ではないかな、このように思っている次第でございます。以上でございます。
○参考人(早川光俊君)
私は、家庭における削減のためには、一つは意識改革と、一つはやはり具体的行動だと思っています。私たちは環境教育の教材も開発しているんですけれども、小学校四年生をターゲットにやっています。四年生、十歳でして、あと十年たつと投票権を持つ大人になるわけですね。こういう人たちがこの問題をちゃんと取り組むかどうか、その素地をつくれるかどうかが一つ。
それと、もう一つ具体的行動でいうと、家庭におけるエネルギー消費、CO2の排出源は大きく自動車とそれから電気です。それで、自動車の問題は、一つやはりこれは本人の意識としてなるべく使わないようにするというのがありますけれども、もう一つ電気については省エネという意味で一番効果的なのは家の断熱化なんですね。しかし、家を建て替えるというのはそうあるものじゃありません。
次に、やはり大きくカウントできるのが省エネ機器への買換えです。今、浅岡さん言われたやつがこの省エネラベルというやつですね。一目でどの機器が一番いいか分かる。トリプルAが一番いい。高いけれども、十年間の電気料を合わせるとその方が低いですよというやつを今東京、関東近辺とか関西とかで始めています。こういったものを広げることというふうに思います。小まめに電気を消したりすることも大事ですけれども、やはりこういった省エネ機器を作っていただくようなインセンティブないしは対応が非常に重要かなと思っています。
以上です。
○関口昌一君
もうちょっと時間がなくなってきたので、次のを最後の質問にさせていただければと思います。山口参考人からいろいろ企業の努力というのを聞かせていただきました。そして、今回、温対法の第二十一条の八でも、この事業者のCO2の排出量の削減努力の内容を外部に分かりやすく説明できる、努力した者を評価しようという、私非常にいいことであると思っております。これだけ頑張っているという事業者に対してもしっかり評価すべきであると私も思っておりますが。私は実は地方議会の出身なんですが、今回、公表制度ありますですね。事業者によるまず算定、報告、そして事業所管の大臣による集計、通知、更には環境大臣、経済産業大臣による集計、公表ということで、地方自治体が関与しないような状況になっているんですね。ただ、私なんか埼玉県なものですから、埼玉県においても、初め全国で十二ぐらいの自治体が今この公表制度を導入しているということなんですが、地方自治体との関与の在り方というんですか、この協力がないと非常に厳しいものがあるかと思いますが、これは四人の方にしちゃうと時間がないので、代表して浅野参考人、ちょっと御意見を聞かせていただければと思います。
○参考人(浅野直人君)
よろしゅうございましょうか。PRTR法のときには確かに県知事をというか地方公共団体を通じてというふうになりました。結局、手順としてそこにまず持っていって流すのか、それとも出てきたデータを最後にまたきちっと戻すのかということにすぎないと思うんですね。ですから、要は事務処理上最も合理的にコストが安く情報が集まるということが望ましいわけでありますので、必ずしもまず地方自治体を通して集めることが合理的であるとは言い切れないと思います。しかし、必ず最後はきちっと末端にまで情報が戻ってくるという仕組みは確保しませんと困りますから、結果については当然自治体にも詳細に情報が流れ、それぞれの地域特性に応じてどういう対応ができるかという参考になるようなデータがきっちり加工され、コメントも付いて流れてくるということは必要だと思います。いきなりまず下から集めて上に上げるということが常に正しいとは言い切れない。やはり事柄の性質によると思います。
○関口昌一君
ありがとうございました。以上で終わります。
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