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2005年7月29日、郵政民営化特別委員会にて2回目の国会質問を行いました。
郵政民営化特別委員会 議事録:20050729
午前九時開会出席者は左のとおり。
委員長:陣内孝雄君、理事:市川一朗君、世耕弘成君、山崎力君、伊藤基隆君、平野達男君、山下八洲夫君、弘友和夫君
委員:愛知治郎君、有村治子君、岩城光英君、小野清子君、小池正勝君、小泉昭男君、椎名一保君、関口昌一君、野上浩太郎君、長谷川憲正君、藤野公孝君、山下英利君、山本順三君、大塚耕平君、岡崎トミ子君、高橋千秋君、富岡由紀夫君、内藤正光君、藤本祐司君、水岡俊一君、峰崎直樹君、山根隆治君、若林秀樹君、渡辺秀央君、西田実仁君、山口那津男君、山本香苗君、吉川春子君、大田昌秀君、
事務局側:常任委員会専門員 鴫谷潤君、常任委員会専門員 高山達郎君
参考人:横浜市長 中田宏君、慶應義塾大学教授 榊原英資君、山口県議会議員 NPO法人森と海の学校理事長 岡村精二君、エコノミスト
紺谷典子君、21世紀政策研究所理事長 田中直毅君、八千代町議会議長 稲葉常美君、日本経済研究センター理事長 慶應義塾大学商学部教授
深尾光洋君、泰阜村長 松島貞治君
本日の会議に付した案件:郵政民営化法案(内閣提出、衆議院送付)、日本郵政株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)、郵便事業株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)、郵便局株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出、衆議院送付)、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから郵政民営化に関する特別委員会を開会いたします。郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上六案を一括して議題といたします。本日午前は、横浜市長中田宏君、慶應義塾大学教授榊原英資君、山口県議会議員・NPO法人森と海の学校理事長岡村精二君及びエコノミスト紺谷典子君、以上四名の参考人の御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。参考人の方々から忌憚のない御意見を承りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。まず、中田参考人、榊原参考人、岡村参考人、紺谷参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。なお、御発言は着席のままで結構でございます。それでは、まず中田参考人からお願いいたします。中田参考人。
○参考人(中田宏君)
おはようございます。横浜市長の中田宏でございます。久しぶりに国会に参らせていただきました。十二年前に、平成五年に衆議院に初当選をさせていただいて、十四年の三月まで隣のハウスで働かせていただいていたわけでありますが、この参議院の第一委員会室も党首討論で何度か、応援部隊というか傍聴というか参らせていただいておりましたけれども、それ以来ということでありますし、ましてやこの場で公式に発言をする機会を与えていただきまして、私なりにはまず先生方に感謝を申し上げたいというふうに思っております。大変良い機会だと思っておりますので、私も大変うれしく思っております。
さて、今日は、この郵政問題ということについて連日、先生方熱心な御議論をされているという場でありますので、私もそのことについての意見を申し上げたいと思って参りました。率直に申し上げて、私は、国会議員時代から、郵政事業についてはこのままでは国家の損失になってしまうというふうにかねがね思っておりました。そういう意味で、その改革を主張し続けてきた者の一人であります。郵政事業について、単純に言えば、こういう声がよくあります。独立採算でやっているわけだし、税金を決して使っているわけではないわけで、何が問題なのかという言い方も聞きます。しかし、直接的な税金ということではない形で、様々に実は私は広い意味での税投入というのが郵政の事業にはそれぞれなされているということを感じます。百歩譲って、これまでの郵政事業というものを十分に評価をするということをいたしたとしても、今後の経営環境であるとか、まあそれはすなわち我が国の金融状況、更には国際的な金融・物流環境といったものを考えたりしますと、現在の公社のままではなかなか今後の経営というものは立ち行かないということが予想されるわけでありまして、その改革は必須であるというふうに考えます。ちなみに、私は郵政のこれまでの三事業というものを否定をするつもりはありません。むしろ、そこは歴史的な意味に立ったときには肯定的にとらえている者の一人であります。例えば、郵便が全国津々浦々に配達をされるということについて、これはどの地域も差別なく区別なく、そして同じ料金でということは早くから郵便事業として確立をできていた。これは諸外国よりもより高い信頼があったと思います。またさらには、銀行的業務、郵貯でありますけれども、こちらの方も過疎地も含めてその評価というのは大変高いわけです。時代をさかのぼってみれば、例えば簡保などは、設立当初は、生命保険というのが国民各層にはまだ十分にそれは行き渡っていない時代、むしろ、行き渡っていないというよりも高くて入れないという時代があったわけですね。高くて入れない時代に国民が、庶民がと言った方がいいかも、分かりやすいかもしれませんけれども、庶民が手軽に入れるようにしようということで創設されたのが簡易保険でありますから、そういう意味では私は、これまでの日本の成長といったことに、国民の生活面に特に資するといった意味において歴史的な意味は大変に大きなものがあった、そう思います。加えて、その裏返しを申し上げれば、郵貯、簡保で集めたお金が特に戦後のインフラの発展ということに資してきたということも大変に大きな効果があるというふうに思っておりまして、今日私たちが様々なインフラを享受できているということも、これは郵貯、簡保というのがやはり財政投融資という形で第二の予算と呼ばれて国の中で適切にこれまで配分をされてきたと。まあ百歩譲って、そういう意味では歴史的な意味というものを否定をするというつもりは毛頭ないわけであります。 しかし、こうした歴史的な意義と財産というものを十分に私たちはかみしめて、そしてそれに立脚をして改革をしていくということが、仮に将来この事業を振り返ったときに、郵政の諸事業がその信用というものを高めた形で、また評価というものをより高めた形で後世振り返られることになると思います。もしも、かつては意味があった事業だけれども、今はとても意味が成さないという事業に私たちは今この分岐点でしてはならないというふうに思うわけでありまして、私は今回、この郵政に関連する法案の審議に当たっては賛成をするという立場でここに参らせていただいたわけであります。改革を進めるということは、その意味では民営化ということになります。もちろん民営化ということも、一口で言っていろんな民営化の形があるわけでありますから、それは何がベストなのかということについて、これは郵政の問題に限らず、ベストというものを今の段階で全員が聡明に選び出して、そしてそれを採決するということはなかなかできないわけであって、よりベストに近いと思われるものを議論をした結果として、最終的に国会という場で採決をするということにしか残念ながら方法はありません。野党の皆さんの中にも、郵政の民営化そのものについては賛成だけれども、しかし今回の法案では駄目だと、こういうような御意見もあろうかというふうに思いますけれども、しかし今申し上げたとおり、何がベストなのかということは、国会で議論を尽くしていただいた上で、やはり今出てきている法案というのは、何よりも郵政のこれまで果たしてきた公共性というものを大切にし、多くの人が、民営化されたら公共的な郵便局じゃなくなっちゃうんじゃないだろうかということに不安を持っている、そこにこたえるようにやっている、それが今回の法案の様々な配慮の部分なんであって、結果として、ある意味では純粋な民営論者からすれば物足りないかもしれません。しかし、それは、これまでの公共性というものに立脚をしながらぎりぎりの案を作っていると私は思うわけでありまして、そうした意味においては、今回の法案というものを私は尊重すべきではないかというふうに思っております。今国会で議論されている郵政制度の改革法案は、日本の将来に向けた構造改革の中核と言える重要課題でありますから、是非この国会で成立をさせていただきたいと私は思います。
さて、よく、郵政改革というのはかつての国鉄改革とよく比較をされるわけでありますけれども、どちらもいわゆる行政改革という、そうした点では比較しやすくもありますけれども、私はそもそも、両者の経営状態とまた国民が接する運営、現象というものが違うというふうに思いますから、この二つの比較をすることは国民の理解もしにくいものだというふうに逆に思います。例えば、国鉄の場合は、国民の多くが経営状態が巨額な赤字を抱えているということを知っておりました。そして、それは、数字的には完全に頭に入っていなくても、感覚的にこれは大変な巨額な赤字を抱えているということを十分に国民は理解をしていたわけです、経営状態についてですね。さらには、運営面、国民の目に映る国鉄の現象的なものは何かというと、駅員の服装が乱れていたり、言葉遣いが乱暴であったり、あるいはお客様に対してありがとうございますということが言えていなかったりというようなことが日常茶飯事でありましたから、そういう意味では日々の利用の中で不愉快さを国民も感じていた。ですから、そうした感情が今度は、だから経営も悪くなっているんだというふうに気持ちとしてつながって、ひいては国鉄改革に国民が一定の後押しをするということにも私はなったと思います。ところが、これまでの郵政三事業を同じような視点で見てみますと、決して郵便局の窓口の対応が悪いわけではないわけですね。もう頭を下げてありがとうございますと、もう自動ドアが開いた瞬間からいらっしゃいませと、こういうサービスが今もう既に達成をされておられます、達成をされていますから、そういう意味では国民からすれば悪感情を持つものではない。そして、先ほどもちらっと申し上げたように、税金を食い物にしているわけではないというような、そうした経営状況もありますから、国民的に見ても、果たして民営化を強力に求めようというような世論が生まれてくるかというと、生まれにくいという現状があります。ただ、稚拙な例で恐縮ですけれども、例えば部屋、家の中が散らかっているとして、さんざん散らかっているから掃除をしようというのは大変分かりやすいわけですけれども、表面上散らかってなくとも、パイプの詰まりやら電設の系統やらというのは、しっかりと日ごろの点検と、そして詰まっているものをやはりかき出しておくということをこれはやらなければならない掃除もあるわけでありまして、部屋の中散らかっているから掃除しようというのが国鉄改革であるならば、見えないところのパイプが詰まっているからこれは掃除しようというのが私は郵政の改革であるというような、まあ分かりやすく言えばそういう気がいたしています。そういう意味で言うと、前者の方、部屋の中散らかっているから何とかしようというのはだれの目にも明らかで、政治家としてもやりやすいわけでありますけれども、後者のような目詰まり、なかなか表面では見えないというところについては、国民が一緒になって我々に、政治家にやれやれと、こういうふうに声が出てくるわけではないわけで、むしろ、こここそ政治家が先見の明に立ってしっかりと掃除をしなければならないというふうに思うところでありますので、是非、委員の先生方の良識ある御判断をお願いしたいと思います。
今、国鉄のお話もしましたけれども、国鉄の場合は、一九八七年に分割・民営化した際、既に倒産状態にあったというふうに言えます。一九六四年に赤字転落して、一九八〇年からは毎年一兆円以上の赤字を計上しているわけでありますから、JRとして分割・民営化のときに三十七兆一千億円という巨額の長期債務が残っていました。これに対して郵政公社は、公社化されてこの二年間、三事業とも基本的には黒字であります。これだけですと、今申し上げたように、公社の方については何も問題ないじゃないかというふうに思われる節もあるわけですが、郵政事業は表面的には黒字を計上しているものの、見えない損失が生じているということが、これはいろんなところで指摘をされてきました。例えば、郵貯、簡保についてでありますけれども、郵便貯金は、二〇〇三年の四月に郵政公社化において、郵便貯金への無償の政府保証、納税義務の免除、こうした民間金融機関との競争条件とは異なっている、官業ゆえの特典というものは残ったままになっています。ですから、民間の推計でも、一九九三年から二〇〇二年度、これは一九九三年度から二〇〇二年度、この間の十年間で五兆三千億円のある意味ではこうした分の特典が発生をしているというふうに計算がなされています。また、同様に、簡易保険についても、同じように民間の推計では、同じ十年間で二兆四千億円の特典があったということになります。こうしたことが、既に議論はなされていると思いますけれども、言わば隠れた税負担ということにもつながるということであります。
郵政民営化、これ、元をただせば財政投融資改革でありますけれども、これも多岐に、財投だけで話はいろいろなりますから、もう一部かいつまんでというお話にならざるを得ませんけれども、二〇〇四年度で財投の資金が十六兆円、その約八割の十三兆円が特殊法人に流れています。これはもちろん国民から集めたお金です。国の予算からも四兆一千億円が支出されて事業や利子補給などに充てられているわけですね。これは税金です。すなわち、財投は特殊法人にお金を貸すということになる。しかし、その特殊法人はといえば、十分に経営状態がしっかりと成り立っていて、その結果借りたお金をきちっと戻せるという状態で借りているのかといえば、決してそうではない。例えば、道路公団が既に四十兆円という巨額の債務を抱えているということは御案内のとおりであって、言わば破綻をしたと言ったら言い過ぎかもしれないが、そうした会社にお金を貸し付けて財投は返済されている。そこの部分を埋めているのが四兆一千億、国の予算から利子補給、事業費といった形で出ている。簡単に言うならば、郵便貯金に国民が期待をしているその利子の分というのは、これは国が税金で言わば付けているという構図がブラックボックスの中のごちゃごちゃの操作の結果として単純化して出てくる理屈になるわけであって、そうした意味において、私は、衆議院の、よくこの議論をするときに、先ほど申し上げたように、有権者の方から、でも郵便局、サービス悪くないですよと言われると、私は、いや、そうでしょうねと、でもね、郵便局が悪いんじゃなくて、これ利子はどこから付いているかということをよく考えましょうと。変な話をするようだけれども、郵便貯金は全員持った方が得ですよと、皮肉なことだけれども、全員持たないと、あなたの税金からこれ金利付けているんですよ、ですからひとしく持った方がよろしいと思いますよと、時々こういうふうに冗談を言っていたこともありますけれども。そうした基本的構造というものが公社化の現状の中でもまだ引きずられた状態であるし、また公社化をされて、今後、金融も自由化される、また今の低金利がいつまでも続くわけではない、国際環境もある。こういったことを考えていったときに、今のような運用で私たちが引き続き郵便貯金の利子を国民に返していくということはできない環境にある。より国際的な、また我が国の金融の中で、民間から、すなわち国民から得た資金というものを自らの頭でもう少し資金運用していくということのレパートリーを広げていくということをしていかなければ、公社自体もそれはもたないということになると思います。仮に公社がどんなにこれから先、公社のままで頑張ろうというふうに思っても、それはやはり政府保証が付いた安全な運用しかできないという状態を枠としてはめられたままですから、結果としては同じような国債であるとか、国債も今のように発行し続けるという状態ならば、それは両者がある意味では持ち合うという力関係になるのかもしれませんけれども、そのことも長続きしないということまで思いを私はするわけであります。
さて、もう一つ、こちらの方がもう一つ分かりやすい話として私はよく言ってきたことであります。それは、ゆうパックあるいはクール宅急便といった、最近郵政の中でもコマーシャルなども非常に多い、こうしたサービス商品についてであります。市場占有率だけを見ますと、ゆうパックは六%にすぎないわけでありますが、そういう中でまだまだ民間には追い付いていない、ある意味では民間に対する民業の圧迫にはなっていないという声も時々ありますが、例えばこれは、具体的には一番この分野で最大手のヤマト運輸、ヤマト運輸の山崎社長は、シェアが問題なのではないと、独占事業でもうけた利益、免税で得た利益、これを一般小包の市場に投入して民間を圧迫するという不公平、不公正というのが問題なんだということを指摘をして、強調しておられます。すなわち、ヤマト運輸に言わせれば、独占の郵便物、こちらの方で利益を得て、そしてシェアが低いのになぜ運営できるのといったら、それは──もう過ぎてますか。もう時間ですか。もう時間ですか。
○委員長(陣内孝雄君)
そろそろおまとめいただければと思います。
○参考人(中田宏君) はい、分かりました。それではまとめますけれども、そういう意味ではそこが問題だということです。特に、最後、済みません、一言申し上げますが、クール宅急便でありますけれども、これは一九八七年にクール宅急便サービスをヤマト運輸が開始をしましたが、そのときヤマト運輸は百五十億円の設備投資をしているわけですね。クール宅急便、それは毛ガニもアイスクリームも、二十年前、三十年前はそんな簡単に送れる時代じゃなかったですよ。民間が考えたすごいこれはサービスですよ。一台一台の車に冷凍冷蔵庫をくっ付けて、途中の保管倉庫にも冷凍冷蔵庫をくっ付けて、更にまた配る先の車にも冷凍冷蔵庫をくっ付けて、そして走り回って解けないように届けるということをヤマトが始めたわけですね。そこに後からチルドゆうパックを出すというのは、シェアがどうであろうと、実にこれは民間に対して失礼な国になっているということは私たちよく自覚をしないと民間の活力ということにつなげていくことはできないような、その象徴的な事項だというふうに思います。いろいろ申し上げたいことありますけれども、時間ということでありますからこの辺にしまして、後ほど御質問をいただければというふうに思っております。ありがとうございました。
○委員長(陣内孝雄君)
ありがとうございました。次に、榊原参考人にお願いいたします。榊原参考人。
○参考人(榊原英資君)
榊原でございます。私の意見を言わせていただきます。どうも郵政民営化問題というのは素人議論が大変多くて、きちっとポイントを押さえた議論をしなきゃいけないというふうに私は思っております。この法案を見せていただいて、大変分かりにくい、それから問題点を大変多く含んだ法案だと思っております。これなぜかと申しますと、やはり何のために今この法案をこれだけ審議し、採決しなきゃいけないかということがはっきりしないんですね。郵政民営化、なぜ今しなきゃいけないかという目的がはっきりしないというのが一つ。それから、実際この法案を通して郵便局がどうなるかと、法案読んでも分かんないですよ。四つ会社ができるというんですけれども、郵便局の中にいる人がみんな違う会社に属して一体何やるんだと。全くこの法案を読んでも、恐らく通達まで全部出ると分かるのかもしれません。政令、省令、通達まで全部出ると分かるのかもしれませんが、この法律を読んでも何のことだか何にも分からないと、こういう法律になっていると。じゃ、この法案をサポートしておられる方、嫌々サポートされている方もたくさんおられるようでございますけれども、少なくともサポートしておられる方が、この法案、民営化のメリットが二つあるとおっしゃるんですね、大きく言って二つあると。一つは、そのお金が官から民へ流れるんだということと、もう一つは民営化によって効率が促進するからだということですけれども、私はこの二つの論点とも間違いだというふうに思っております。
官から民へというのは、今、中田市長もおっしゃいましたけれども、よく財投の制度のことをおっしゃるんですけれども、もうもう、ここにいらっしゃる皆さんはもう御承知だと思いますけれども、財投改革法案というのは一九九九年に通って二〇〇二年からもう実行されているわけですね。移行期間が七年ありますけれども、二〇〇九年になれば完全に郵貯、簡保は公社公団から切れるわけですね。よく、物の分からないエコノミストたちが、それでも国債で運用しているじゃないかというようなことを言うんですけれども、資産運用として国債を買っているということと、制度として公社公団に行くというのは、これ全然別問題です。資産運用として国債を買っているんでしたら、それは民間生保はたくさん買っていますよね。民間銀行たくさん買っています。当然、民間の金融機関だってこれはリスクは管理しなきゃいけませんから、リスクのない国債を大量に買うというのは、これは当然のことであります。民間が今やっているわけです。郵政民営化になっても同じことが起こると思います。ですから、この官から民へという議論は全くの誤解でございます。で、実は政府の人たちあるいは与党の方たちは分かっておられるんだけれども、それを言っておられる方がいるというのは私は大変不思議ですね。
それからもう一つ、民営化をすると効率化になるというんですけれども、通常やっぱり官のものを民営化すると効率は良くなるんでございますけれども、なぜ効率が良くなるかというと、これは新たな競争が発生して極めて厳しい競争下に立たされるからこれは効率化するんですね。ところが、郵政事業についても、郵貯、簡保についても、もう激しい競争しているんです。先ほどヤマト運輸なんかとの競争をおっしゃいましたけれども、郵便事業についても極めて激しい競争を民間としていると。それから郵貯、簡保についてはもう何十年も前から銀行、保険会社と激烈な競争をやっているわけですね。ですから、新たに民営化して競争が生まれて、それで効率化するというチャネルはないんですよ。もう既に激烈な競争をしている。だから、今、郵便局のサービスがいいわけですよね。なぜいいかというと、競争に勝てないからです。民間との競争に勝てないから、大変効率化をしていると。民営化したらその競争が激しくなって効率化するという議論はここでは成立しないんですね。それが分かっておられない。原則論を言っておられます。こういうのを原理主義と言うんですね。市場原理主義というふうに言いますけれども、今いろいろ議論されている方は民営化原理主義と、民営化タリバンと言ってもいいんですけれどもね。そういうことではないかというふうに思っております。
それから、それじゃ今度は、郵政民営化して問題点が出るというところについて、いろいろカバーなさっているとおっしゃっているんですけれども、本当にそうかと。まず、郵政民営化の最大の問題点は離島とか過疎地が切り捨てられるということですね。離島とか過疎地は、これは民間会社でできないです。利益上げることできません。ところが、日本というのは、例えばよくドイツ・ポストが民営化したと、成功したじゃないかと言うけれども、ドイツは大陸ですよ、あれ離島なんか一つもないんです。それから、あそこは森の国で、山の国じゃありませんからそんなに山間へき地もないんですね。そういうところは郵便事業、民営化してもいいかもしれません。しかし日本は、人の住んでいない島まで入れると六千八百五十二島なんです。人が住んでいる島でも四百以上あるんです。そのうち恐らく三百以上は離島ですよ、これ。ですから、民間がサービスできないようなところです。それから、山間へき地がたくさんありますから、恐らく民間、純粋な民間企業がサービスできないような地域というのは四百から五百あるはずなんです。これは民営化したら、原則としてはサービスできないですね。ですけれども、この法案で二兆円の基金を積んで何とかすると、こうおっしゃっているんですけれども、どういう形で何とかするか、法案を読んでも見えないですね。一体どうするんだと、そういうところ。これちゃんとやりますとおっしゃっていますけれども、二兆円の基金を積んでどうやるかというのが見えないと。それからまた、変な話ですよね、株式会社に二兆円の基金積んで、これで何か公的なことをやりなさいと。それなら公社でやればいいじゃないですか。これはもう本当にここの民営化というのはよく分からない。法律を読んでも、純粋な民営化になっていないですよね。一体これ何なんですかということですね。
それから、実は銀行業務と保険業務は、これは理論的には民営化できるはずです。というのは、実は民間の銀行もあるわけですし民間の保険もあるわけですから、当然のことながら理論的には民営化できるはずですけれども。これはもうしばしば言われていますけれども、郵貯も簡保も巨大な金融機関ですね。郵便貯金というのは世界一の銀行です。メガバンク四つ集めたよりも資産が大きいわけです。簡保についても同様です、極めて大きい。世界一の巨大金融機関です。これを今一挙に民営化したら、純粋な民営化を僕、言っているんですよ、純粋な民営化したらどうなるんだと。地方金融機関、ばたばたつぶれますよ。たださえ地方の金融機関は今苦しいんです。信組、信金あるいは第二地銀、そういうところは非常に今経営苦しいんですね。地方金融の再編成が行われると言っているんです。金融庁もそのために公的資金入れると言ったんです。そこに、郵貯に本当に民営化して何でもやりなさいと言ったら、これは金融機関、大混乱します。
それから、今度、郵貯の方が、郵貯、簡保の方が、例えば国債等で運用するというようなことになりますと、今度は国債市場で巨大なプレーヤーになりますから、恐らく郵貯、簡保が国債市場を支配するようになると思います。今では短期の資金市場というのは農中が非常に強い力を持っていますね。ですけれども、郵貯、簡保が国債市場に入ってきますと、国債の価格をそれが売ったり買ったりするだけで支配するようになると。ですから、こんな巨大な金融機関を一挙に民営化するなんということは、これは理論的にできないことですね。巨象を小さな池に放つようなものです。ですから、もしこの部分を民営化するとすれば、これは郵貯、簡保のサイズをうんと小さくして、例えば預け入れ限度額ってありますから、それをどんどんどんどん下げて、うんと小さくした上で民営化というのはあるかもしれません。理論的にはそれ可能です。簡保についても可能です。あるいは、郵便局でもう郵便貯金じゃなくて国債売ってもらって、国債の方が有利ですから、国債を例えば窓口で売ってもらって、郵貯はどんどん減らしていって、それで郵貯が非常に小さくなったところで民営化するということは、これは可能ですけれども、今の郵貯を純粋に民営化するということは、これはとてもできない。ですから、もちろん法案見ても純粋な民営化になっていないですよね、いろんなところにかぎを掛けてありますから。それじゃ、民営化って何なんですかと僕は言いたいんです。民営化法案なんでしょうと。民営化しない民営化なんですよね、これ、両方とも。一体、一体どういう法案だかよく分からない。
そうすると、結果として一体こういう法律を通すと何が起こるのかということを私は考えてみたいと思うんですけれども、何が起こるかというと、結局、事実上の官営銀行、官営会社ができて、それが業務を拡大するということになるわけですよね。結果としてこれ民業圧迫です。ですから、例えば地域の金融機関なんかが、もし本格的に民営化されれば大変なことになるということでございますから、その官の、事実上の官のままその事業を拡大するという形になりますよということ。
それからもう一つは、これ余り議論されていないんですけれども、これ、巨大な利権です。三百数十兆の資産の運用というのは、これは巨大な利権です。これ、公社のうちはまだ国家公務員法が準用されますから贈収賄は起こらないです。民営化したら、これは贈収賄は適用になりませんから、巨大な腐敗が起こる可能性がある。僕は腐敗が起こるとは言っていません、可能性として、巨大な腐敗が起こる可能性があると。道路公団も同じようなことですね、あれね。民になると、あれ、腐敗が更に深くなる可能性がありますけれども、この郵貯、簡保の場合も、これだけ巨大な利権ですから、群がってくると思いますよ、投資信託とかファンドとか。特に外資系なんか、今こうやって待っていますから。ですから、そこでその腐敗が起こらないように。それから、横領、背任というのはできますけれどもね、しかし、いろんなところで接待されて、いろんな天下りをしてそれでやるということは民はできますからね。腐敗がむしろ民営化によって増大するんじゃないかと。ですから、この法案を通していいことはほとんどないと。まあ継続審議でも廃案でもいいですけれども、それは皆さんがお決めになることでございまして、こういう法案を今慌てて通すことは百害あって一利なしだというふうに考えております。どうもありがとうございました。
○委員長(陣内孝雄君)
ありがとうございました。次に、岡村参考人にお願いいたします。岡村参考人。
○参考人(岡村精二君)
岡村でございます。委員の皆様には、連日、猛暑の中、こうして議論をされているのをすばらしいことだと思いますし、尊敬もいたします。参考人として本当にこんなすばらしい歴史のある部屋で話をさせていただくことだけでも僕はもう幸せ一杯で、本当に今日わくわくしながら参りました。皆さんのように僕は常に国を思い大きな視野で物事を考えてきたわけでもありません。法案の詳細について公聴会などの資料を見せていただきますと、私がお話ししたいような内容というのはもうほとんど出尽くしているような気がします。私個人としての思いや願いを主に述べさせていただきたいと思っています。参考人としての依頼を受けたときに、なぜ榊原先生のような郵政の専門家でもない私に依頼が来たのかなとか、どうして神様は私に何か話をさせたいのかなとか、何を話させたいんだろうとか、そんな理由について考えてみました。偶然ではない必然性を感じたからです。
私は、昭和五十二年、二十四歳のとき、中学生のときからの夢だった手作りヨットによる単独太平洋横断に挑戦しました。何度か大きなしけに遭い、そのたびに生かされている自分という存在を感じました。それが私の生き方の原点になっています。その後、建設会社に就職し、三十歳のとき、建築設計事務所として独立する準備をしていたときに、戸塚ヨットスクール事件や金属バットによる殺人事件など青少年問題が多発し、このままでは子供たちが駄目になってしまう、心豊かな冒険心あふれる子供たちを育てたい、命と家族のきずなの大切さを教えたいとの願いから、ヨット教室やキャンプなどの体験教育を行う塾を開校して、以来二十年間、子供たちと接してきました。その中で感じたことは、教育は祈りと願い、そして何よりも子供たちを信じることの大切でした。川上がきれいになって川下がきれいになると言いますが、子供は時代の鏡です。社会環境が子供に与える影響は非常に大きく、政治家としての皆さんの役割の大切さを強く感じています。郵政民営化法案の審議も、これからの日本の在り方、子供の将来までも問われているような気がしてなりません。戦後の日本は、欲望の充足イコール幸福、打算の論理イコール合理主義という考え方だけで急速な経済成長を遂げてきたように思います。日曜日と重なった祝日を月曜日に振り替え、土曜日と含めて三連休にしたのも一つの例です。観光の振興と連休が取れるという合理主義から生まれた法律ですが、体育の日は十月十日だから私は意味があると思っています。先日、昭和の日が制定されましたが、大正の日や明治の日はありません。物事をとらえるとき、点でとらえて、線でしか見ないようになってしまったのも今の日本ではないでしょうか。その結果、過去の歴史を大切にし、そして未来に向けた考え方ではなく、難しいことは他人任せ、その場主義でしのいで先延ばしにするという考え方や手法が政治的にも定着してしまったように思えます。欲望の充足イコール幸福、打算の論理イコール合理主義という両輪で走ってきた清算を、戦後六十年たった今、道路公団による談合事件、JR西日本による列車事故、年金、靖国、そして教育問題、また五百兆円を超える国債残高という形で課せられているような気がいたします。いろいろな事件や問題が起こるには訳があります。欲望と打算の論理で両輪で歩いてきた日本に対する清算が一気に起こっているのが今の社会であり、郵政民営化もその一つだと私は思っています。
さて、小泉首相は宮澤内閣の時代に郵政大臣を務められ、郵政の実態を自分の目で検証し経験された経験から、郵政は大変な問題を抱えている巨大組織だとの強い危機意識から、長年にわたり一貫して郵政民営化に向けた強い信念を持ち続け、行動されてきました。首相就任後も、郵政民営化こそ本格的な行財政改革の第一歩であり、小泉構造改革の本丸と位置付け、強硬に民営化を推し進めている政治家の姿勢を、政治家として私は尊敬しています。なぜなら、そこに私心が見えないからです。郵政民営化には、自民党と友好関係にあったはずの特定郵便局局長会までが強く反発しています。自民党の総裁として、敵に回すことは当然選挙に不利になるとの覚悟をした上であえて郵政民営化を強行しているということは、ただそれだけで国を思う強い信念を感じます。郵政公社の現状に危機感を抱き、長年そればかりを考えてきた人の意見を私は尊重するべきだと思います。公社の民営化は今始まったばかりではなく、一九八〇年代から日本電信電話公社、日本専売公社、日本国有鉄道の三公社が次々に民営化され、硬直したシステムは見直され、サービスの質や利便性は向上し、国民は全く不安を感じていません。民営化すればすべて良しとは限りませんが、法案が通らず、郵便、貯金、保険の三事業が続けられることになると、将来はだれもが難しいと思っています。公社経営陣にも郵政民営化や大胆な改革を望む声があると聞いています。将来、経営が破綻して税金がつぎ込まれる可能性も低くありません。巨額の赤字を国民負担にツケを回した国鉄のようになってからでは、強制的な人員削減を含め、激しい痛みを伴う民営化になってしまいます。IT革命による電子メールの普及で毎年二%の割合で郵便取扱量が減少し、郵政公社も民間企業と提携した事業を始めていますが、民業を圧迫しているのも事実です。また、郵便、簡保は、規模が巨大過ぎるため、独占企業になりかねないなどの多くの問題点もあります。金融部門の完全民営化までには十年以上の年月を掛け、雇用や過疎地のサービス維持も配慮していますが、いずれ、公社のままでは将来に展望はありません。当然、経営が悪化すればサービスの低下は免れません。
さきの総裁選挙で小泉首相は、郵政民営化を第一目標として掲げ、立候補し、再選されました。方法論と時期の食い違いはあるでしょうが、皆さんが選んだ首相がやろうとしているならやらせてあげればいいと私は思っています。今まで避けて通ってきた困難な課題に挑戦しようとする政治家はほかにいないじゃないですか。小泉首相のような強硬論者がいるとき、命懸けでやろうとする人がいるときにやらなければ、二度とチャンスは来ないかもしれません。過去に中心の存在なくして繁栄した事実はありません。中心なくして組織は成り立ちません。だからこそ、特に自民党の議員の皆さんは、中心にいる人を立てなければなりません。多少の考え方の違いはあったとしても、私はそれが筋目だと思っています。私心を捨て公にというのが私は天のメッセージではないかと考えています。民営化が確立するまでに十年以上も掛けるなら、今手を付けるべきです。先送りなどとんでもないことだと思っています。先送りすれば、また更に大きな問題が噴出してくるはずです。 花のほほ笑み、根の祈りという言葉があります。枝葉や花は毎年替わりますが、根っこは替わりません。根っことは、日本のためになるかどうかということ、まず郵政民営化という根を出させることが大切です。そして、その根が出たときどう育てるか、そこも大事です。三年ごとに総合的な検証と見直しを行うことになっています。今、必死で反対される方々、その検証こそが皆さんの役目だと思っています。見直し作業の中で、みんなでいい花を咲かせる努力をしていただきたい。まず根を出させることが大切なんではないですか。 国鉄民営化のときにも大きな反対がありました。地方路線は廃止しないという方針ではありましたが、時代の流れで、最近、広島駅から三段峡に向かう可部線のように廃止された事例もあります。離島や中山間地域の郵便局の存在は絶対必要ですし、それが担保されなければいけません。しかし、過疎化の中で存続不可能というときが来るかもしれません。そのときは、住民の立場に立った議論がなされることの方が私は大切だと思っています。可部線のときにもそれほど大きな住民反対も起こっておりません。完璧な改革や法案は最初からありません。だから、走りながら見直しを行えばいい、私は、皆さんそう思っていらっしゃるんじゃないかと私は思っています。議員の皆さんには、日本のためになるかならないか、天が喜ぶかどうか、その一点で検討をしていただきたいと願っています。みんなの中の自分、自分の中のみんなという言葉があります。今の日本にはこの連帯感が希薄になってしまいました。人間の体は、すべての臓器が正常に働いて体が円滑に動き、命が守られています。一つの臓器が弱っていれば、体全体でそれを支えようとします。大きな財政赤字を抱え、再起不能と言われるほど日本の、日本という国の心臓が弱っているとき、小泉さんが選ばれ、心臓を強くしようとするのであれば、それをみんなで支えていただきたい。肺を強くしたければ、民主党が頑張るときかもしれません。与野党一緒になってまずやってみればいいと思います。小泉首相は万能でもなければ完璧でもありません。だからこそ、みんなが助けてあげればいいと願っております。
現在、アスベストの危険性が問題になっています。私も建築屋ですのでかなり使いました。でも、そのときはそれほど危険性というものが前面には出てきませんでした。ただ、危険性は分かっていたとしても、問題点を先送りにしてきた結果、今大きな被害をもたらしています。郵政民営化法案が絶対正しい、永遠に正しいということは、私、ないと思っています。しかし、参議院の皆様には、問題を先送りするのではなく、これからの日本の姿を議論してほしい。今回の郵政民営化の議論は、私はある意味では日本の在り方が問われているのではないかと思っております。以上、御清聴ありがとうございました。
○委員長(陣内孝雄君)
ありがとうございました。次に、紺谷参考人にお願いいたします。紺谷参考人。
○参考人(紺谷典子君)
経済を専門としておりますエコノミストの紺谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。必死に反対している一人でございます。小泉さんは、大変有り難いことに、改革ということに命懸けでおやりくだすっているようなんですけれども、私、不思議だなと思うことがあるんですね。どういうことか。改革政権が出てくるたびに国民生活が悪化するんです。細川改革しかり、橋本行革しかり、小泉改革に至っては物すごく悪化したということでございますね。何よりの証拠が株価でございます。国民は、改革改革と旗を振られますと、いやあ改革やってくれているんだなと。橋本行革のころには七割の方が郵政民営化に反対でしたけれども、現在は民営化に賛成という人の方が増えてきていると、だから国民の気持ちはそこにあるんだと総理もおっしゃっていますね。本当だろうかと私は思うんですけれども。国民はだませても株価はだませないと思っております。
株価を見ますと、小泉政権の発足時一万四千円前後だったんですね。今一万一千円。昨日何か瞬間的に二千円を超えたらしいですけれども。だけれども、ずうっと株価が一度も発足時を超えないというのは一体どういうことなんだろうか。改革が始まってからもう四年数か月たっているわけですね。痛みを伴っても改革と言われてじいっと我慢していたら大増税案が出てきたということもありまして、一体いつまで国民は痛むのかなという思いがあるわけでございます。株価が下がったということはとても不思議なことなんですよ。どうしてか。今現在痛みがあったとしても、将来に明るい展望が開けているんでしたらば、株価というのは先読みするものでございますから、今現在は不調でも将来が明るいと思えば株価は上がるんです。株式市場というのは世界じゅうの経済の専門家が売買しているところでありまして、株価の動きというのはそうした専門家の日本経済に対する見方なんですね。日本の将来に対する見方なんです。それが四年数か月もたってまだ上がっていないと。上がった上がったとおっしゃったこともありましたけれども、それは御自身が半値に下げたその大底から上がったというだけのことでありまして、いまだに発足時を超えていないと。改革が進んできたはずなのに、本当に進んだかどうかは御異論はあるかと思いますが、進めば進むほど株価は悪化する、下がる。国民生活は悪化する。本当に不思議だなと。つまり、国民のための改革ではなかったんじゃないのかなという思いがあるわけでございます。改革というからには、国民に安全と安心を与えてくださる、豊かで明るい将来展望を与えてくださると、法治国家なんですから法のルールを守っていただくと、民主主義を貫徹してくださるということだと思うんですけれども、どうも分かりづらいなと思うのは、中央省庁改革法という法が全く無視されていたりとか、民主主義国家とは到底思えないような強権的なルール無視が次から次へと繰り出されるこの改革というのは、やり方見ていたって改革じゃないなという感じがしてしまうわけでございますね。
行財政改革の本丸と総理は度々おっしゃっております。どうして郵政の民営化が行財政改革の本丸なのかということはいまだに分かりません。何でなんでしょうか。お分かりの方がいたら教えていただきたいなと思うぐらいでございますけれども。そもそも、郵便局を民間に転売して株式の収入で財政赤字を埋めようとか、民間企業にして増税して、それで財政赤字を埋めようとか、そういう発想もあるかのようにお聞きしておりますけれども、そもそも巨額の財政赤字はどうしてこんなに巨額になったのかという原因分析ができているんでしょうか。よく公共事業だとか景気対策のせいだとか言われますけれども、公共事業は九八年以降激減しております。一方、財政赤字はそれ以降激増しているということでありまして、少なくとも公共事業が第一の犯人じゃないということはデータからも明らかでございます。第二に、景気対策なのかと。景気対策は一九九〇年以降全部で百三十兆ほど行われておりますけれども、いわゆる国庫支出のあった真水の部分というのはせいぜいが六十兆というのがほとんどのシンクタンクの推測でございます、推計でございます。ところが、九〇年以降どれだけ国債が増えたのかというと、三百数十兆増えちゃっているわけですね。じゃ、残りの三百兆は何に使ったんですかということでございますね。何に使ったんでしょうか。税収不足を補うために使ってきたということですね。九〇年代の初め、日本の税収は六十兆を超えておりました。今四十兆台なんですね。森政権までの政権が十一年掛けて減税も含めて十兆減らしたんですよ。小泉政権は、当初のたった二年間でまた十兆減らしちゃったということなんですね。税収不足が赤字国債のここまで巨額に膨れてしまった原因であると。じゃ、税収不足は何で起きたのか。法人税収が落ちたのはなぜでしょうか。景気が悪くて赤字企業ばっかり増えたからではありませんか。所得税収が、増えたのはどうしてでしょうか。国民所得が低下してきているからではありませんか。消費税収が落ちたのはなぜでしょうか。物が売れなくなったからではないですか。景気が悪いから財政赤字が大きくなってきたんです。景気が悪いから税収がどんどんどんどんおっこって財政赤字が大きくなってきたんですね。その問題は郵政を民営化すれば消せるんでしょうか。私はそうは思いません。根本的な原因が解決されていない。
行政改革であるという考えもありますね。本当に行政改革なんだろうか。そもそも、この赤字をつくった原因は何なのかということさえ明らかじゃないわけですよ。特殊法人改革、財投改革だとおっしゃるんですけれども、一番効率的な財投改革、特殊法人改革は、財投機関そのもの、特殊法人そのものを見直していくということなんですね。まずはきちんと会計報告をさせるということではないですか。それで不公正とか非効率の原因を探っていくと。多くの方たちは、天下り、ファミリー企業の問題ではないかというふうにおっしゃっているわけですね。そこを手付かずのまま本当に行政改革なんかできるのかと。そもそも、橋本行革も間違っていたと私は思うんですけれども、何でもかんでも民に任せれば改革というわけにはいかないと思うんですね。行革会議自体が行革に反すると。なぜならば、政治復権とおっしゃっていたからです。政治が国家の運営に責任を持つと。そうであるにもかかわらず、たった十人か数人の有識者を集めて、公開もされない議論で二十一世紀の日本の行政の枠組みを決めてしまったわけでございます。しかも、国会議員を蚊帳の外に置いてやったと。国会議員がそれに対して反論すると、いや、国会議員は黙っていろ、族議員は黙っていろと。国会議員って何なんだろうかなと私はあのときから思ったんです。国民が選んだ代表者ではないんだろうかというふうに思うわけでございます。行政責任ということからいいますと、例えば金融不安が起きましたね。財政赤字も大きくなりましたね。税収も不足しましたね。景気もこんなに悪化してきております。その責任をどなたか行政はお取りになったんですか。
景気という観点からいいますと、実はこの十五年間、九〇年からの十五年間、日本のGDPはほぼ横ばいでございます。一・一倍にしかなっていないんですね。その間、アメリカは二・四倍になっているわけでございます。年率に引き直しますと、アメリカはほぼ毎年六%のスピードで成長してきた、日本はほぼゼロ成長であったということなんです。これはデータから明らかでございます。一体日本とアメリカのどっちが異常だったのかと思ってほかの先進主要国を調べてみますと、何とアメリカが先進主要国の平均値だったということが分かったんです。つまり、日本は横ばい状態でずっと世界の流れから後れを取ってきたということですね。先ごろの石税調会長の論点整理の中にも澄まして財務省はお書きになっているんですけれども、小泉政権発足時の二〇〇一年、日本の課税最低限は世界の中で最高であった、先進主要国の中で最高であったと。つまり、ほかの国だったらば税を払っている人たちが日本では払っていないんだと。ところが、実はもう昨年、日本の課税最低限は先進主要国の中で最低になっているんです。ほかの国なら税を取られていない人が取られているわけですよ。しかももっと増税するという案が出てきていると。なぜこんなことになったのかと。簡単ですね。先ほど申し上げたように、日本の国民の所得、GDPは横ばいなのに、ほかの国は二・四倍になったからでございます。そういう行政、財政の失敗の責任はだれがお取りくださるのかと。どなたもお取りいただいていないわけですね。金融不安に関して大蔵省は責任を取ったんですか。財政赤字、税収不足に関して大蔵省は責任を取ったんですか。全然お取りになっていないわけでございます。本当の原因というのをきちんと究明せずに表面的なところだけいじって、原因分析もしないのに対策を先に決めて、民営化が自己目的としか思えないような民営化論議をずっと続けてきたわけですね。何で民営化が自己目的化しているかと、思うかといいますと、民営化の理由というのがころころころころ変わるんですよ。当初と全く逆のことまでおっしゃっているわけです。当初はこのままだと郵政は肥大化していくとおっしゃっていたのが、今はしぼんでいくから今のうちに手を打たなくてはと、全く逆のことをおっしゃっているわけですね。
そもそも郵便局が果たしてきた役割ということを考えなくてはいけないと思うんですよね。国民生活の基盤となるインフラとしてずっと地方を支えてきたり、あるいは小口低所得者の金融活動を支えてきたりしたわけでございます。その役割はもう終わったのか終わらないのかと。民にできることは民にという小泉総理のおっしゃっていることは非常に正しいと思います。しかし、民にできることは確かにあるんですけれども、そういったら政府がおやりになっていることの大体は民にできるんですよ。軍隊だって民間会社がありますね。刑務所だって民営化されていますね。何で郵政だけ先になさるのかということが私には見えないんです。分からないんです。しかも、郵政を民営化してどこが良くなるか、なお分からないということですから、ちっとも賛成したいという気持ちに残念ながらなれないんですね。橋本行革のときからずっと間違ってきたのは、ともかく民間の判断は正しいということなんですよ。ですから、財投に関しても、先ほど榊原参考人からお話がありましたけれども、財投機関債、財投債というようなものに転換することによって、これをもって改革とおっしゃったんですね。それで、市場で債券を発行できるような特殊法人は残してもいいと。それは事業として成り立つからだ、採算が取れるからだというお話だったんですけれども、そういう財投機関こそ民営化すべきなんですよ。市場ベースで採算が取れるんですから、それこそ民に任せていただきたいですね。市場ベースでは採算は取れないんだけれども、国民生活を守るために必要なことが国の仕事でございます。だからこそ国民は税を払っているんではありませんか。国民が税を払うというのは、採算の取れないことでも必要なことはやってくださいねという意味なんですよ。採算、採算という点では道路もそうでしたけれども、採算が取れるところは造るけれども、取れないところは造らないと。じゃ、道路のネットワークがぶつ切り状態でよろしいんですかという話になるわけですね。財投機関債を市場で発行してって言いますけれども、債券投資をする投資家は、自分が出したお金が無事戻ってくるかどうか、負担したリスクにふさわしい金利が付いてくるかどうかしか考えないんですよ。これが国民生活を守るために必要なのかどうかとか、公的事業として必要なのかどうかなんて知ったことかというのが投資家でございます。そこに公的事業の判断をゆだねるということ自体がまさしく大間違いというふうに私は思うんですね。
何でもかんでも民に任せようということで民間の委員会がやたらめたらできるんでございますけれども、本業でお忙しい方たちが御苦労なことだとは思いますけれども、しかし、どのぐらいの頻度か、それぞれによって違うと思いますけれど、たまに会議に出てきて、道路のドの字も知らないような方が御議論なさって日本の道路網決めちゃうのかなと、それは大変不安でございます。国会軽視もいいところでございます。何のために国会議員がおいでなんですか。しかも、国会議員が物を言うと族議員がといっておとしめる。しかし、族議員がいなかったらば政治なんか成り立ちません。無色透明、公正中立な国民なんかどこにもいないからです。みんな男であったり、女であったり、年取っていたり、若かったり、都会にいたり、地方にいたり、社長だったり、従業員だったり、様々なんですね。そういう方たちの様々なグループ、様々な地域の利害得失を一か所に集めて、どういうような改革を行えば最大多数の最大幸福を求められるのかという御議論をしていただかなければならないときに、様々なグループの利害を代表して意見を言う方たちを族議員だとおとしめて意見を聞かないんです。マスコミは、反対派は、自民党の反対派は特定郵便局長会の票が欲しいんだとおっしゃる。野党は郵政の労働組合の票が欲しいんだとおっしゃる。それは正しいのかもしれません。正しいのかもしれませんけれど、それはそれとして反対派の意見にきちんと耳を傾けるということでなければ、改革なんかできないんですね。
そもそも改革というのは、さっきも申し上げましたように、人により、立場により、違うんですよ。それを、私の改革に反対する者は抵抗勢力だと決め付けて、人の言うことには耳をかさないということであってよろしいんでしょうか。本当に改革を目指すならば、まずは自分と異なる意見に耳を傾けるということが第一歩であるはずですね。マスコミもおかしいなと思うのは、古巣の跡目相続争いに敗れた方が古巣を守旧派と呼んだら、一緒になって守旧派と呼ぶと。小泉さんが御自身の改革に反対する人を抵抗勢力と呼ぶと、一緒になって抵抗勢力と呼ぶと。今回は、反対票を投じた人、欠席した人を造反議員と呼んでいるということでありまして、一体ジャーナリズムの中正公立というのは一体どこに行っちゃったのかなというふうに思うわけでございます。そういう見方ではなくて、きちんと国民の立場から立ってどうなのかということをお考えいただきたいと思うんですね。 郵政が果たしてきた役割は幾つかありますけれども、一つは、地方や小口や、そういうところの生活基盤となってきたと。今や、その生活基盤を壊すだけでなくて、日本の民主主義も破壊されつつあるなというふうに感じているわけでございますけれども、公的資金の提供者でもあったわけですね。今後、日本はもう公的資金は要らないんですか。郵政にお金を返す、年金にお金を返すというふうに言っておりますけれども、しかし、返すお金の半分は、大蔵省が厚労省とそれから総務省に話を付けて財投債半分買わせているわけでございます。それから大量の国債も持ってもらっているわけですね。そういう公的資金ニーズはどうなったんだろうか。私は、郵便貯金というのは第二国債であると思っております。証券投資が嫌いな日本において出し入れ自由な貯金という形を取った国債だと思うんですね。出し入れ自由な分だけ金利は低くてもいいと。どんな過疎地でも小口でもサービスしているという点で更にその金利は低くてもいいということでありまして、そういう資金調達のルートというのをあっさり捨ててしまってよろしいんですか。肥大化ということをよく言いますけれども、銀行に比べて肥大している、保険会社に比べて肥大化していると言うのは国民の視点に立っておりません。単なるもうけ仕事をしたい営利企業の立場に立っているということでありまして、国民の観点、国家の観点から見たらば、必要とする公的資金の需要からいって、郵便貯金のあるいは簡保のお金が集まり過ぎであるということかどうかでもってしか肥大化かどうかということは判定できないはずなんですね。それが肥大しているということであれば、金利を下げていけばよろしいというふうに私は思っているわけでございます。
いずれにいたしましても、改革というのは何らかの目標が明示されていなくてはなりません。現状分析がきちんとされていなくてはいけません。現状のどこが問題なのか、行政、財政のどこが問題なのかという問題点を明らかにしないまま、いきなり対策が出てきたということをもって非常に不思議な議論になっているなと思うわけでございます。理由がはっきりしないというその一点だけをもっても郵政民営化に反対したいと。国民の生活インフラを壊すという点でも反対したいなと思っておりましたけれども、このところの議論の成り行きを見ておりますと、国民の生活インフラだけではなくて日本の民主主義さえ破壊され掛かっているということで、強く強く反対させていただきたいと思っております。どうも大変失礼いたしました。
○委員長(陣内孝雄君)
ありがとうございました。以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。これより参考人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○関口昌一君
おはようございます。自由民主党の関口昌一です。参考人の皆様方には、本当にいろいろ御予定のある中、こうして御出席をいただきまして貴重な御提言をいただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。もう限られた時間での質問ということでございますので、まず中田参考人、今いろいろお話を聞かせていただきました。ちょっと私も聞きたいこともあるんですが、まず、横浜の市長さんという立場で、郵便局の果たす役割というのは非常に大きな地方行政とかかわりがあると思うんですが、そうしたことをちょっとお話をしていただければと思います。どんな役割を、かかわりをしているかということですね、郵便局とのかかわり。
○参考人(中田宏君)
地方行政と郵便局とのかかわりということについてでありますけれども、従来から、例えば地方行政における公金の出し入れといったことについては基本的には指定金融機関がいるわけですけれども、しかし、国民の側、我々からすると市民の側が例えば納税等を始めとしたそうした手段として郵便局を利用されるということについては、これまでもちろん大きなかかわりがあったというふうにも言えようかと思います。最近は、横浜市などでは、郵政が公社化されたことによってより積極的な営業展開をしていこうというふうにその方向性を出していますので、私どもと相談をして郵政公社で新たなサービス提供をお願いをしたケースがありました。例えばどういうことかといいますと、七十歳以上のお年寄りに敬老パスというものを横浜市では交通機関を利用する際のパスとして発給をしてきたわけですけれども、これを、従来は郵政の郵便事業で送るという形でしたけれども、仕組みを改めまして、本人確認をしたり、それから納付手続をした上で、そこで、その場で発給をするというようなことですね、こうしたことを今郵政公社の皆さんにお願いをし、サービスはスタートすることになったわけでありまして、そういう意味では、公社化をしたことによって新しいサービス提供ということが以前に比べればしていただいているのかなというところを感じます。
○関口昌一君
ありがとうございました。よくこういう議論がされるんですね。首都圏、都市部の方々はこの民営化については賛成であって、田舎の方に行くと反対が多いというふうな意見を聞くんですが、私は、実際埼玉県でございますけれども、埼玉でも一番こういう田舎の方の秩父、しかもその秩父の郡の方の町の出身でございます。私も、この郵政民営化の問題でいろいろ議論される中で、やっぱり過疎地域において、これはもう都市部の郵便局も同じであるんですが、ちゃんとしっかり郵便局が担保されるかどうかという不安をみんな持っている。しかし、私は、衆議院の中によって修正というのは、国会の修正というのは非常に大きな役割を持っているし、民営化でありながらやっぱり抑制された民営化であると今回私も考えておりまして、そうした中で、中田市長さんは、首都圏、政令市の市長さんということでございますが、立場を変えて、過疎地の村長さんとしたらどんなお考えでしょうか。
○参考人(中田宏君)
今回の法案は、正に榊原先生が先ほどおっしゃっておられたとおり、本当の意味での民営化ということをやれば懸念をされるではないかということについての様々な策を講じた制度設計になっていると思います。そういう意味では、逆にその点をとらえて今度はこれが民営化なのかという議論が始まってしまうわけですけれども、しかし、それはこれまで公共性というものを、非常に郵便局、郵政事業が信頼をされていた部分をどうやって民営化の中で担保をしていくのかという中で制度設計がなされたわけであって、これはある意味では、反対する方々の憂いというものに対してやはりこたえる形の制度設計なんだということをむしろ理解をする必要があると思うんですね。今御質問の過疎地等を始めとした地方ということについては、正にそうした対策は講じられているわけであって、まず郵便局の配置については、法律の中で、あまねくこれは配置をしなければいけない、そしてそのあまねくというのは、今ある状態を基本的には肯定をした約束事に既にこの議案の審議の中で明らかになっておりますですよね。そういう意味では、今のネットワークというものを活用するということにまずインフラとしてはなる。さらには、これまでの三事業のそれぞれの相互的な効果ということを考えたときには、やはり今のネットワークをそのまま利用していくというのが最も効果的で、当然経営判断としてはそこを中心に、中心というよりも、はっきり言ったら私はそれしかないと思いますね。すなわち、安定的な長期契約をする対象として、例えばじゃセブンイレブンとやるかということになれば、セブンイレブンのネットワークはそこまでには至らないし、また今までの業務を引き継ぐに当たっては、最初からセブンイレブンのアルバイトさんでやるのかということを考えたら、とてもできる話じゃないわけであって、ということになれば、これまでの郵便局のネットワークを利用してやるということが、もうこれはほぼ、ほぼというか、間違いなく確実な状態になっているということになります。さらに、それでも駄目な場合はということになると、ここも榊原先生に先ほどおっしゃった御意見を参考にすれば、基金が設けられていて、まあ意味が分からないということになるわけですけれども、それもまた、これ言わば過疎から郵便局がなくなってしまったらどうするんだということに対するある意味でのセーフティーネットとして、これは地域・社会貢献基金というものを設けるという、二重、三重というそうしたものがこれで制度設計としてなされているというふうに思っています。最後に付け加えますけれども、仮に郵便局の統廃合ということになれば、私はこれ、地方の皆さんに、特に過疎の皆さんに誤解をしていただきたくないのは、都市部も大変だと思います。銀行が再編をする中で、支店が減ったのは都市部なんですね。駅前に幾つも同じような競合相手がいて、それが合併をすることによって都市部の銀行はどんどんどんどん減りました。そういう意味では、これは郵便局ということを考えたときに、都市部ではかなり駅の南口、北口で郵便局がそれぞれ一つずつあるというような場所はたくさんあります。そういう意味では、この議論も単純ではないというふうに申し述べたいと思います。
○関口昌一君
いろいろ御発言いただきまして、ありがとうございました。特に過疎地域の郵便局というと、金融機関がないんで金融機関の役割を果たしているということであります。私もしっかり、こういうことはいろいろな不安を払拭することによって、民営化といっても法の仕組みにおいては抑制の利いた民営化である。それはやっぱり国民の、利用者側の不安を解消するため、また経営を安定するためにこうしたいろいろな修正が行われたと思っておりますし、国会議員の責務として、しっかりとその設置義務が果たされるかどうか、また監視もして行動もしていきたいと思っております。いろいろありがとうございました。榊原先生、いろいろお話聞かせていただきましたりよく本も読ませていただきます。民営化は、立場ではっきり、今御意見をいただきました。やっぱり、昨日地方公聴会行ってまいりました。ちょうど盛岡の方だったんですが、経済の代表の方々、それから郵便局関係の方々、賛成、反対、意見ございましたけれども、賛成の方でもやっぱり不安をされていることはございました。先ほどお話が、御発言いただきました、巨大なマーケットになって民業を圧迫するんじゃないかという心配もされております。私もそれは心配をしております。榊原参考人、非常に私、印象にあったのは、万が一民営化を考えるとすると、郵貯と簡保のこの、何というんですか、サイズを小さくするというようなお話をちょっと触れられたんですが、その辺をちょっとまたお話をいただければと思うんですが。
○参考人(榊原英資君)
郵便局というのは非常に公的なインフラになっていて、これを民営化するということは望ましくないんですけれども、実は郵貯とか簡保は、例えば今郵便貯金で郵便貯金の定額預金というのがあるわけですね。実は定額預金よりは個人向け国債の方が有利なんですよね。ですから、郵便局で例えば定額預金を個人向け国債に振り替えてくださいというような勧め方をすれば、恐らく相当の方が定額預金から個人向け国債に移ってくると思うんですね。個人向け国債というのは実は定額預金をモデルにしてつくったんですよ、あれ。ですから、それで移ってくると郵貯の残高は自然に減ってくるわけでございますよね。簡保についても、簡保などはやはり民間の保険会社にこれを移していくと。ただ、窓口業務は郵便局でやっていいと思うんですよ。窓口業務は郵便局でやるということで、次第に今の簡保とか郵貯を国債に移す、あるいは民間に移すということをやっていくと、それでずっと小さくするというのがまず第一歩でございますよね。本当に小さくなったときにその業務について民営化するということは可能だと思います。ですから、まずやることは、例えば限度額の引下げとか、積極的な個人向け国債の販売とか、あるいは場合によると投資信託を郵便局で売るとか、そういうことで、それが本当に投資信託を売るとなれば、これは官から民への資金の移動ですよね。あるいは簡保を民間保険に移すということであれば官から民への移動でございますね。そういうことをやるのが本来の筋ではないかと。ですから、三十年前に例えば郵貯の民営化ということを言われたわけですね。小泉総理はそのころから言われているわけですけれども。そのときは小さかったんですよ、郵貯も簡保も。ですから、小さいときはそれはある程度民営化してイコールフッティングにした方が望ましいということを民間の方も考えておられた。今はもう巨大になり過ぎちゃっていますから、民営化するんなら一度小さくして、あるいは資金を移して、いろんなところに、それで民営化をすると。ただ、郵便局は窓口業務を続けると。そういうことが一つのオルタナティブというか選択肢、今の法案のオルタナティブな選択肢ではないかというふうに私は考えております。
○関口昌一君
ありがとうございます。もっと聞きたいんですが、二十分という限られた時間でございますんで、あとお二方また参考人もいらっしゃいますんで。次、岡村参考人ですね、県会議員ということでございます。私も、地元の埼玉県で三期八年有余県会しておりました。経歴を拝見させていただきますと、非常にいろいろな活動をされた流れの中で県会で今活動されているということであります。先ほど、ちょっとお話今聞かせていただいたんですけど、この民営化法案の審議の在り方も、日本の将来、これまた子供の将来も考えて問われているような気がしてならないというような、ちょっと御発言ございました。それ、どのような、この点をどのように考えているか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
○参考人(岡村精二君)
今回、今回ある意味では本当久々に何か全国民が注目をしている法案のような気がいたします。子供たちですら、先生、民営化とかどうなのとか私らにやっぱり聞くわけです、子供たちが。今、子供たちをずっと見ていますと、最近本当に夢が持てない、持たない、何か持つことが難しい時代に子供たちなってきました。その場しのぎの子供たちがすごく多いんですね、今さえ良ければって。ニートであるとかフリーターであるとか、そんな子供たちというのは、結果的にはその場しのぎ、今さえ良ければという考え方なんです。で、もう戦後ずっと日本という国がそういう形を歩んできたんじゃないか。何かそのことをすごく感じてならないんです。それが結果的には五百兆円を超える国債残高になってみたりとか、そういう形で現れたんじゃないか。ますます借金も増えていくんだろうし、それをどうするのかとか思うときに、またこれを先延ばししてしまうような結果が出たとき、ああ、子供たちは、やっぱりそれが今の日本の行き方なんだというような見方をしてしまいかねないんじゃないかと思うんです。やはり子供たちが先を見据えて次から次へと頑張っていこうという考え方持たせるためには、今、私は六十年の、戦後六十年の節目をつくるべきじゃないかなと。今回これをうまく民営化することによって、何か子供たち自身の心の活性化につながっていくんではないかというふうに思えてならない。だから、ある意味では子供たちの夢を育てていただきたい、そのためにも是非とも私は制定して、成立してほしいなと心から願っています。
○関口昌一君
ありがとうございました。もう六分になりましたんで、紺谷参考人、非常にはっきりした意見を賛成、反対であってもはっきり述べるというのは、私もそういう政治姿勢をいつも持って行動しております。もう民営化の問題が出てきたときは、もうはっきり、いろいろリスクは大きいですけど、やっぱりこれは民営化は必要だということをはっきり地元でもうたっております。その流れの中で、民営化は反対だということでございます。経済的に考えてもということをいろいろ含めてということがあるかと思います。ただ、経済を考える場合、この今現況においての反対、また中期において、また長い目で考えた場合、いろいろあるかと思うんですが、長い目でとらえた場合、長期にとらえた場合でもやっぱりこの民営、民営化、郵政に限って民営化というのは、やっぱり反対というか、考えない方がいい、方がよろしいでしょうか。ちょっとまたお話しいただければと思いますが。
○参考人(紺谷典子君)
少なくとも、今現在、民営化した方がよろしいという事情は私には見えていないんです。全国二万四千七百ある郵便局、それから三十数万人もおいでの郵便局員、地元に愛情を持って地元の事情に通暁しているこの国家的な財産が、民営化されたらば崩れてしまうんではないかという懸念を持っているんですね。百三十年も掛けて築いてきたネットワークを民営化の名の下に崩してしまっていいのか。どこの国でも、民営化したところはどんどんどんどん郵便局も郵便局員も減っているわけでございます。このせっかくつくり上げたシステムをもっと国民のために活用するという在り方があるということで幾つか提言させていただいているんですけれども、一つはボランティア拠点です。様々な災害のときに全国からボランティアが集まるんですけれども、役所もひっくり返っておりますので、どこへ行ったらどんな人手が必要なのかということも分からない。どこへ行ったら民泊させてもらえるのか、どこへ行ったらお弁当食べさせてもらえるのか、どこに銭湯があるのかということさえ分からない。取りあえず郵便局に行けばそういうことを教えてもらえる。そうすれば、あのオイルの流出事件のときに、被害が最も大きかった珠洲市にはほとんど人が行かないで、三国にばっかり集中するということはなかったんではないのかなということが一つ。それから、私は公的介護保険のときからずっと反対させていただいているんですけれども、郵便局でボランティア貯金をやってほしいと。今やっているようなその金利を一部寄附するというのではなくて、ボランティアを本当に献血手帳のように貯金していく仕組みなんですね。そうすると何がいいかというと、エコマネーの、地域マネーの全国ネットができるということなんです。そうすれば、都会に出ていった若者が、都会のお年寄りの世話をした分でふるさとの両親がそのボランティア貯金を下ろして御近所からお世話を受けることができると。そういう助け合いのネットワークをつくっていくということも大変大事なことだと思うんですね。ほかにも申し上げたいことはあるんですけれども、時間のようなのでやめさせていただきます。
○関口昌一君
現時点で長期に、例えば長く考えた場合、やっぱり民営化というのは考えられないでしょうか。ちょっとその辺、簡潔に。
○参考人(紺谷典子君)
今のところでは考えられません。もう一つ言いたかったことは、公的資金需要でございます。多額の国債発行があるというふうにおっしゃっているじゃないですか。しかも、郵貯、簡保、年金のお金は返すと言いながら、実は財投債に振り替えて、それをまた郵貯、簡保、年金に持たせているという現実があるわけでございます。しかも、民営化されても持ってほしいと。公的資金需要がある限り、それを最も低いコストで調達する方法は何なのかと。しかも、国民のニーズに合わせて調達する方法は何なのかと。さっき申し上げたように、より低い金利で資金調達できる第二国債のようなものが郵便貯金だと私は思っておりますので、巨額な公的資金が需要がある限り、この方法として、まずは政府は、国債発行のコストと郵便貯金を維持するコストとお考えいただきたいと思うんです。そもそも、国民は三百四十兆のお金を政府に強制されて持っていっているわけじゃないですよ。自ら選択してそこへ持っていっているんだと。金融不安があるからだし、それから過疎地に金融機関がないからだし、そういう現状をまずは政府にお考えいただきたいと。公的資金需要としての側面も是非是非お考えいただきたいということでございます。
○関口昌一君
まだまだ、特に中田参考人にもいろいろ聞きたかったんですけれども、もう一分になってしまいました。本当にいろいろ、それぞれのお立場からいろいろ御意見をいただきまして、参考にさせていただければと思っております。国債の問題もちょっと聞きたかったんですけれども、今、官の資金で国債を購入している、これは悪いとも申しませんが、やっぱり国民が国債を買うようなシステムの運用というのは、これからやっぱりこれがもう必要になってくるんではないかなと思っております。本当に今日は早朝からいろいろ、こうして貴重な御意見を聞かせていただきまして、重ねて御礼を申し上げまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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