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164-参-環境委員会-2号 平成18年02月03日
○委員長(福山哲郎君)
石綿による健康被害の救済に関する法律案及び石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○関口昌一君
自由民主党の関口昌一です。 昨年六月にアスベスト問題が浮上してまいりまして、政府は各種対策の検討を進めて昨年の十二月にアスベスト問題に関する総合政策を作成したということであります。これに基づき、今回、石綿による健康被害に関する救済と対策、二法案を国会に提出したということであります。
私は、今国会直前に行われました環境委員会におきます委員の派遣に参加いたしました。そして、尼崎の市役所において、市役所の方々、そして株式会社クボタ、また患者と家族の、被害者のですね、患者と家族の方々から、意見交換を行ってまいりました。限られた時間でございますので、そのときの意見交換を中心に質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、今回の法案の提出に至るまでの経緯についてお伺いいたします。また、その意見交換のときに患者さんの方々からは、自分たちの意見を聞かないで進められたんではないかという疑念を持っておられたようであります。環境省では一般的に、法案を提出する際には中央環境審議会において諮問等を行って、その審議会で十分審議を行った上、パブリックコメントを行って法案を提出しているということでありますが、今回こうしたプロセスを踏まなかった理由について併せてお伺いいたします。
○政府参考人(寺田達志君)
お答え申し上げます。 何よりも迅速な救済の必要性ということに尽きるのではないかと思っております。 今回の救済制度の対象としております中皮腫や肺がんでございますけれども、これは重篤であるとともに非常に予後の悪い疾患でございます。半数の方々が死亡に至るまでの時間が、肺がんでは十二か月、中皮腫では十五か月ということでございまして、しかも患者さんの数は年々増大傾向にあると、こういったことを踏まえまして、政府としては一刻も早い救済が必要であるというふうに判断したところでございます。
先年、八月二十八日にアスベスト問題に関する第二回の関係閣僚会合を開催いたしまして、救済のための新たな法的措置を講ずることとし、次期通常国会に提出するということを決定いたしましてから数次にわたる関係閣僚会合を重ねまして、今日の法案提出に至ったものでございます。
なお、その間、この法案につきましての基本的枠組みあるいは大綱等々随時公表させていただきまして、広く国民の皆様の御意見を承るとともに、大臣にも尼崎まで行っていただきまして患者の方々とお話しいただくなど、政府としてはできる限りの努力をしてきたと考えております。
○関口昌一君
迅速な対応が必要、私もそう思うわけであります。この法案が通りますと五年ごとに見直すというようなこと、改定をするということであります。いろいろ十分ではまだまだないと私も理解しておりますが、しかし緊急の対応が必要ということで今回の法案の提出ということであろうかと思いますが、いろいろな様々問題が出てくる中で、五年の間の中でしっかりと被害者の方々が救われるような対応をしていただきたいと思っております。
次に、患者の意見交換会のときに患者の方々から、労災では救済できないアスベストによる健康被害者の救済について、新たな救済新法でなく公害病として公害健康被害の補償等に関する法律の対象にしてほしいというような要望が出されました。
公健法の対象としないで新たな救済新法を制定することにした理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(滝澤秀次郎君)
公健法の位置付けでございますが、相当範囲にわたる著しい大気汚染などの影響による疾病に対しまして、汚染原因者の負担による補償給付を行う法律でございます。
一方、今回の石綿による健康被害につきましては、石綿への暴露から三十年ないし四十年という非常に長い期間を経て発症するという特性を有しておりますが、石綿への暴露があった当時の大気汚染の状況は定かでないということもございます。
また、石綿は、事業活動のみならず建築物でありますとか自動車など極めて広範な範囲で利用されてきたこともございまして、どのような状況において石綿に暴露したのかを明らかにすることが難しく、個々の健康被害の原因者を特定することが極めて困難であるという特徴がございます。
したがいまして、汚染原因者を特定することができない石綿の健康被害につきましては、汚染原因者の責任を踏まえた制度である公健法を適用することは困難であると考えたわけでございます。
しかし、今回問題となっております石綿を原因とする中皮腫でありますとか肺がんにつきましては、発症から一、二年で死亡するケースが少なくなく、自らに非がないにもかかわらず、何らの補償を受けられないまま亡くなられるという悲惨な状況にもあるわけでございます。
このような中皮腫等の石綿による健康被害の特殊性にかんがみまして、原因者が被害者の損害を補償するという民事上の賠償責任とは切り離しまして、事業者、国、地方自治体の全体の費用負担による被害者の迅速な救済を図ろうとしたわけでございます。
○関口昌一君
今ちょっと、答弁の中にもちょっと出てまいりましたけれども、ここであえて政府では補償という言葉は使わず救済という言葉を使用しているということは、簡潔で結構ですが、どのような理由か、ちょっと聞きたいと思いますが。
○政府参考人(寺田達志君)
お答え申し上げます。 ただいま保健部長からも答弁いたしましたように、損害のてん補を目的とするような制度ではないということに尽きようかと思っております。
○関口昌一君
お二人の説明も今伺ったわけでありますが、あえて救済という言葉を使っているということでありますが、補償という気持ちに立ってまた対応をしていただきたいと要望させていただきたいと思っております。
次に、救済給付の内容でありますが、法律では療養手当、そして葬祭料、また特別遺族弔慰金などがありますが、金額については政令で定めるということになっております。これらの金額と策定の根拠についてお伺いいたします。
あわせて、尼崎市や患者の方々からは、労災補償とバランスの取れた補償の制度化を要望しておりました。特に要望の強い医療機関までの交通費等も含めて、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(寺田達志君)
お答え申し上げます。 ただいま御質問の中にもございましたけれども、また先ほど答弁をさしていただきましたけれども、本制度は損害のてん補ということを目的とするものではございません。また同時に、例えばすべて必要となる費用をすべて積み上げてそれを支給するというものでもございません。そのような救済制度というフレームの中で、国における各種救済制度とのバランスを取って支給額を決定するということにしております。
具体的には、医療費につきましては自己負担分を支給をする、療養手当につきましては関連諸制度を参照して月十万円ということを考えております。葬祭料につきましても、他の制度の例に倣い、約二十万円ということを考えております。また、特別遺族弔慰金につきましては、これはなかなか類似の制度ございませんけれども、特別遺族葬祭料と合わせまして三百万ということを考えているところでございます。
なお、御質問にございました交通費等の問題でございますけれども、ただいま申し上げました療養手当、これは定型化されたものでございますけれども、入通院に掛かる費用等も勘案して定めるということとしておりまして、これと別途通院費の実額支給ということは考えていないということでございます。
○関口昌一君
答弁聞いて少しがっかりした部分もあるんですが、被害者の方々からとりまして、今大変な思いをしているということであります。質問の中の要望として、またそうしたものも含めて今後お考えをいただきたいと要望したいと思っております。
次に、指定疾病について、法案では中皮腫、気管支又は肺の悪性新生物、そして政令で定めるものとなっておりますが、具体的に対象指定疾病の範囲、また認定基準、そして申請から認定までの期間についてお伺いいたします。
あわせて、尼崎市からは労災の対象疾病と同等とされたいというような要望もございました。これに対する環境省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(滝澤秀次郎君)
本救済制度の指定疾患の関係でございますが、いろいろと専門家の御検討もいただいている最中でございますが、中皮腫、肺がんを指定疾患として想定しております。ちなみに、労災における石綿関連疾患といたしましては、中皮腫、肺がんのほか、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、あるいはさらに良性石綿胸水という疾患が挙げられているわけでございます。
中皮腫、肺がん以外の、まず石綿肺でございますが、その特徴といたしまして、これまで職業性暴露での発症しか知られていないという事実がございます。また、労災の関係でございますが、古くからよく知られた典型的な職業病ということでのじん肺の一つというふうに位置付けられておりまして、特別加入制度も含めた労災制度が一方において整備されているという状況にございます。
またさらに、びまん性胸膜肥厚あるいは良性石綿胸水について申し上げますと、これもやはりこれまで職業性暴露での発症しか報告されておらないということと、労災制度におきましても平成十五年に新たに対象疾患として加わったと、認定者数も少ないというふうに聞いております。
こうした経緯、特殊性を勘案いたしまして、現時点ではこれら中皮腫、肺がん以外の関連疾患については救済給付の対象としていないわけでございますけれども、今後、医学的知見でありますとかデータの集積を図り、職業性暴露以外の暴露による御指摘の疾患の発症状況等を踏まえつつ、必要に応じて将来これらを指定疾患とすることはあり得るものと考えております。
また、申請から認定までの期間でございますが、当該疾病が石綿によるものであることについて医学的な判定をするために一定の期間が必要になると考えております。石綿による健康被害は重篤であり予後も悪いという実情を踏まえて、でき得る限り早急に認定が行われるように努力はしてまいりたいと考えております。
○関口昌一君
いろいろ認定で難しい部分もあるかと思いますが、職業暴露以外でも被害者の方もおられると私も思っております。しっかりとまた対応していただきたいと要望しておきます。
いろいろ尼崎市や患者の方々から意見や要望はまだまだあるかと思います。環境省を始め政府にいろいろなまた意見や要望もなされていると思っております。なお一層理解と協力が得られるよう全力で取り組んでいただきたい。そしてまた、救われるべき人が救われるよう、被害者に対して、今回のアスベストによる健康被害の救済措置の周知徹底をお願いしたいと思います。
国民に対して、国民への周知に対する竹下政務官の決意を、強い決意をお聞かせいただきます。
○大臣政務官(竹下亘君)
関口委員のおっしゃるとおり、周知徹底するということがまず大事でございまして、やっぱり被害者、あるいは被害者の遺族の皆さん方にこの制度の内容をしっかり理解していただきまして、そして積極的に利用していただく、そしてもちろん労災の方も積極的に利用していただくという形に持っていくことが大事であるというふうに考えております。
このために、制度の内容や認定の申請手続等につきまして本当に徹底的に周知徹底を図っていきたいと考えておりまして、政府広報や環境省及び独立行政法人環境再生保全機構のホームページを活用するという方法のほかに、ポスターやリーフレットも作成をいたします。また、被害者の目に触れるよう関係機関に協力をお願いするなど、様々な広報媒体を利用をいたしまして、もちろん新聞にも広告を出しますし、環境省が持っておるものだけではなくて、政府が持っておりますあらゆる広告媒体を通じて積極的かつ分かりやすい広報に取り組んでいこうと、こう決意をいたしておるところでございます。
○関口昌一君
よろしくお願い申し上げます。 次に、アスベスト廃棄物対策についてお伺いいたします。 今回、廃棄物処理法を改正して、高度技術による無害化処理認定制度を創設することになったということであります。そして、今年一月には北九州市、また広島県の福山市の民間施設で既に実証実験を行っているということであります。
そこで、アスベスト廃棄物について無害化処理は可能であるのかどうか、また埋立て処分と比較した場合のコストについてお伺いいたします。
○政府参考人(由田秀人君)
お答えいたします。 アスベストは千五百度以上の高温域で溶融されますが、混合物の種類、混合比、投入方法などの条件を適切に組み合わせることにより、これよりも低い温度域でも溶融・無害化処理が可能な場合があることが知られており、現に処理を行っている溶融施設もあるわけでありますが、更に新たな技術の開発へ向けまして、現在、今のお話にありました実証試験を進めているところであります。
また、コストに関しましては、アスベスト廃棄物の処分場につきまして、今回のアスベスト問題以降、受け入れる処分業者が減少するなどによりまして処分費用が高騰している状況も見られております。無害化処理に要するコストは、最終処分に要するコストとそれほど大きな差異はない状況になるものと想定をいたしております。
さらに、環境省におきましては、アスベスト廃棄物の新たな無害化処理技術の開発を進めるために、公募により研究費の配分を行う補助制度を行っておりまして、その支援を行うことといたしております。特に無害化処理につながり得る早期の実用化が可能な技術の開発を重点的に支援する方針でありまして、この事業を活用して更に安価な無害化処理技術の開発を支援してまいりたいと、このように考えております。
○関口昌一君
今後十年間の間にアスベスト廃棄物はピークを迎えるものと思われております。しかし、一方で、現在も産業廃棄物の不法投棄というのが頻繁に行われているというのが現状でありますし、また、過日新聞報道によりますと、一部アスベストの廃棄物の不法投棄が発生しているとのことであります。
国民の健康に重大な影響を与えるアスベストの不法投棄をどのように取り締まっていくのか、またアスベストの不法投棄対策に臨む小池環境大臣の強い決意と、そしてこのアスベストの全体の問題について、しっかりと取り組んでいく決意を併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小池百合子君)
今回御審議いただいておりますこのアスベストの新法によりまして、そしてまた関係法の改正によりまして、一日も早くまず被害者の皆様方の救済を行っていくという観点と、それから、今後更に出てくるであろうアスベスト廃棄物が、その取扱いを間違うことによってまた新たな被害を生じさせない、この二つの観点が重要かと思います。
今不法投棄のことについての御質問がございましたが、残念ながら、これまでも京都や大阪、岡山などでアスベスト廃棄物の不法投棄が行われたということが明るみになっております。いずれも自治体、撤去して最終処分場に処分を行ったということでございますが、いずれにいたしましてもこのアスベスト廃棄物の不法投棄の防止というのは重要な課題であると、このように認識をいたしております。
今回、廃棄物処理法の改正で、先ほど部長の方からもお答えいたしましたけれども、無害化処理認定制度というのを設けました。埋立て処分のルートに加えまして新たにこの無害化処理のルートを開拓するということで、処理のバリエーションを広げるということも不法投棄防止の一助になるかと考えております。そのほか、マニフェスト制度の充実であるとか監視の強化など様々な総合的な措置を通じまして、今御質問ございましたアスベスト廃棄物の不法投棄対策にも全力で取り組んでまいりたいと、このように思っております。
救済、そしてこれからの発生を抑える、こういった総合的な取組を迅速に行ってまいることによりまして、今回のこのアスベストについての様々な措置、まず行っていきたいと、このように考えているところでございます。
○関口昌一君
昨年六月からこのアスベストの問題が浮上してきて、そして今国会で迅速に石綿に関連する二法案を提出するということで、私はさらに、小池大臣も尼崎市の方に行かれていろいろ意見も聴取されたということであります。私、その迅速な対応には大いに評価している一人でありまして、ただ被害者の方々、患者さんにとってまだまだ十分な法案ではないかと思います。私は、このアスベストの問題についてスタートを切ったと思っております。今後もしっかり時間を掛けて少しでも被害者の方々に御満足いただける、そしてこうした問題が二度と起こらないようなしっかりとした対応をしていただきたい、それには環境大臣、本当に頑張っておられること、また今強い決意も聞かせていただきましたので、今後ともよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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