活動報告

 

164-参-環境委員会-13号 平成18年05月18日

○委員長(福山哲郎君)

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

○関口昌一君

 自由民主党の関口昌一です。  もう限られた時間ですので、早速質問に入らせていただきます。  京都議定書に基づいて、我が国は二〇〇八年から一二年まで、温室効果ガスの排出量を基準年比で約六%削減しなければならないということになっております。環境省が昨年公表した資料によりますと、二〇〇四年度の排出量は逆に約七%増加している現状であります。これは、つまり合計で約一三%削減しなければならないわけでありますが、そのために、より一層国内対策を強化していかなければならないと思っております。  そこで、環境省にお伺いしますが、国内の温室効果ガス排出量の削減対策強化の必要性についてどのような認識を持たれていられるか、また昨年政府が策定した京都議定書目標達成計画を来年度に見直す予定でありますが、どのような方向性になるのか、お伺いいたします。

○政府参考人(小林光君)

 お尋ねの点、二点ございましたけれども、まず今の対策の強化状況と、こういうことでございます。京都議定書目標達成計画、これは今御指摘の六%削減約束を達成するということで、約六十項目の対策というものを書き込んでございます、盛り込んでございます。この対策を全部確実に実施するということで初めてこの六%削減が達成できる。今回お諮りしております京都メカニズムの活用法もそうでございますけれども、こういったものを含めて着実にやっていく必要があるというふうに考えてございます。大変厳しい取組だと思っております。  そうした中で、この目標達成計画の見直しの方向はどうなのかと、こういうお尋ねでございます。ステップ・バイ・ステップということで、ある程度対策をしましたら、その成果を踏まえて、そして対策を逐次強化するという仕組みにしてございまして、来年度にこの見直しをするということにしてございます。その結果を踏まえて二〇〇八年度を迎えると、こういうことでございまして、特に来年度の見直しについては大変重要なステップというふうに考えてございます。六%削減約束を確実に達成できるかということで、厳格にその進捗状況等を評価して、その上で更に必要に応じて政策の追加ということを考えていきたいというふうに考えてございます。

○関口昌一君

 大変厳しい現状である、そうした中でしっかり国内対策を取り組んでいただきたいと思っております。  京都議定書、これは我が国で生まれ、また我が国の地名を冠した唯一の条約であります。我が国がこの生みの親として国際的に大きな責任を持っていると認識しておりますが、そのためにも、やはりしっかりと国内対策を基本的に取り組むべきであると思います。そして、世界にその模範を示す必要があると思っております。  そこで、環境省にお伺いいたしますが、今回の法改正により京都メカニズムを利用してクレジットを取得できるようになったわけでありますが、国内対策を基本としてやっぱり取り組むべきであると考えております。この国内対策の重要性について竹下政務官にお伺いいたします。

○大臣政務官(竹下亘君)

 おっしゃいましたように、国内対策が重要である、まず国内で減らす努力からするというのが基本的なスタンスでございまして、この京都クレジットというのは補完的な手段であるというふうに基本的には考えております。  御指摘ございましたように、二〇〇四年度の数字から見ますと、一三・四%の削減、これ本当に並大抵のことではないと思います。この一三・四%に対しまして、閣議決定しました目標達成計画では、まず国内の排出削減対策で七・九%減らす、森林吸収源対策、これは三・九%認められておりますので、これも実現していく、そしてその上でなお約束達成に不足する分、一・六%について京都メカニズムを活用をしていこうということでございまして、そのことによって九〇年比マイナス六%を達成していこうと、こう考えております。  我が国の基本的な方針として、先ほどもお話ししましたように、京都メカニズムの活用というのはあくまでも補完的でございまして、国内における排出削減ということを基本として最大限努力していくことにいたしております。単にその数字の達成というだけではなくて、我が国が持っております環境技術あるいはいろんな環境対策、実績、これは私は世界最先端を行くものであると思っておりますし、これに更に更に磨きを掛けるということは、まず国内で削減をすることで、そのことを通じて環境立国に持っていく、さらには世界の環境のために貢献していくためにまず国内からと、この基本をどうしても守り抜いていかなければならないと、こう考えております。

○関口昌一君

 今、政務官から強いお言葉をいただきまして、是非その決意を持って取り組んでいただきたいと思います。  次に、京都メカニズムについて経済産業省にお伺いいたします。  京都議定書目標達成計画によれば、国内対策を最大限努力してもなお足りない差分、約一・六%分ですか、である約一億トンについて京都メカニズムの活用により海外からのクレジットを取得することになっておりますが、果たして我が国はそのような大量のクレジットを現実に確保することは可能であるのか、また今後の予算確保のために経済産業省の決意をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(深野弘行君)

 お答えをいたします。  まず、今の量の点でございますけれども、一億トンをこの京都メカニズムによって確保するということを今考えているわけでございますが、この一億トンという量につきまして、これまで国連のいわゆるCDM理事会というところに登録をされましたもの、あるいは現在そういった手続にあります手続中のものから、二〇一二年までに約八億五千五百万トン程度のクレジットの発行が見込まれております。一方、世界でどのぐらいこのクレジットが必要になるか、これもいろいろな見方があるわけでございますけれども、約七億トン弱ではないかというのがございます。  そういったことでございまして、今のこの進行中のプロジェクトから実際にこれだけのクレジット発行量が出ない可能性もございますので、やはりそのプロジェクトの発掘、あるいはそのプロジェクトが円滑に実施しやすい、そういった環境整備も併せて行い、クレジットの供給の拡大、こういったことに努力をしていく必要があるんではないかと考えております。  それから、予算面でございますけれども、仮にこの一億トンのクレジットというものを確保する、こういうことで、今のこのクレジットの価格を見ますと、二〇一〇年時点で十一ドル程度になるという見方もございますし、それから現在の価格は約六ドル弱でございます。こういったことでございまして、これを確保するのに約七百億円から千五百億円程度必要なんではないかというふうに見られております。この確保をこれから始めるわけでございますけれども、初年度につきましては百二十二億円を限度といたしまして獲得ができるような、そういう措置をとっております。また、予算としては、五十四億円を経済産業省それから環境省から計上をさしていただいております。  いずれにいたしましても、今後とも、クレジットの需給状況なんかを見ながら、必要な予算を確保すべく努力をしていきたいと考えております。

○関口昌一君

 しっかりと予算確保のために、できたら見通しまで聞こうかと思いましたけど、まあ決意にとどめさしていただきましたが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  まず国内対策を中心に一生懸命努力して、そして京都メカニズムを補完的に活用してこの京都議定書の目標を達成する、これは大変重要なことであると思います。しかし一方で、京都議定書の目標は二〇一二年まででありまして、そろそろ二〇一三年以降の国際的な枠組み、これについても国際的な議論を高めて進めていく必要があると思っております。特に、京都議定書を離脱したアメリカや、また京都議定書では排出の削減義務の掛かっていない中国またインドなどの途上国など、こうした国々をどういうふうな形で巻き込んでいくのか。いろいろ大きなポイントがあるかと思いますが、いわゆる次期の枠組みについて政府はどのように取り組んでいくお考えか、お伺いいたします。

○政府参考人(小林光君)

 今御指摘のとおり、米国、そして中国やインド、これは途上国でございまして、京都議定書には入っておりますけれども削減義務が具体的にはない、こういった国々の参加をどうやって求めていくのかと、こういうことでございます。  まず、精神といたしましては、人類共通の問題でございます、中国そしてインドを含むすべての国が参加する実効ある枠組みというものが行く行くは必要だというふうに考えてございます。  そうした中で、米国は依然、京都議定書に参加しないという方針を変更しておりませんけれども、いろいろな場でこの米国に対して議定書の批准といったものを働き掛けてきております。後で大臣からもあるいは御披露あろうかと思いますけれども、いろんなチャネルで説得をしているということでございます。また、米国とはワークショップ、あるいはAPPと言われておりますが、アジア太平洋の具体的な削減取組、こういったようなことも一緒に進めているということでございます。また、中国、インドなどにつきましては、日中韓の三か国の環境大臣会合といったようなことを通じまして、これも積極的に地球を守る責務というものを発揮するように働き掛けている、こういうことでございます。また、国際的にも既に、米国、中国、インドなんかも参加いたしますところの対話といいますか、交渉ではございませんけれども、相談といったものがこの枠組条約の下で始まっております。  こういったものにもしっかりと取り組んで、そして各国に対する働き掛けというのを強めてまいりたいというふうに考えてございます。

○関口昌一君

 日本が頑張り、ほかの国も協力して目標を達成するということでありまして、特にこの京都議定書に関していろいろ参加が厳しかった国々に対して、しっかりとこの枠組みについて取り組んでいただきたいと要望をさしていただきます。  京都議定書のマイナス六%の削減約束、これは地球全体で温室効果ガスの濃度を安定させるための最初の第一歩であると思っております。中長期的には更に温室効果ガスの排出削減を加速さしていかなければならないと考えております。我が国として中長期的な排出削減の目標を定めるべきではないかと思いますが、ここは最後に、小池大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。私、小池大臣、非常に環境庁長官に就任されて一生懸命取り組んでいる、私も感動をしている一人であります。最後にお考えを聞かしていただいて、私の質問を終わらしていただきます。

○国務大臣(小池百合子君)

 まず京都議定書のマイナス六%の削減約束でございますが、その前に、すべての国が参加している気候変動枠組条約がございます。そして、その究極の目的は温室効果ガス濃度の安定化ということでございますので、京都議定書の最初のこの六%削減というのは第一歩にすぎないという位置付けでございます。しかし、その安定化の達成のためには、世界の温室効果ガスの総排出量を将来的に少なくとも現在の半分以下にまで削減しなければならないということでございますので、六%どころか、その半分にという話になるわけでございます。  ですから、中長期的な視点に立って、まずは目標達成計画で六%の削減約束、これを達成していく。それに加えて、更に長期的な、そして継続的な排出削減を掲げていく。  それから、先月閣議決定いたしましたけれども、環境基本計画がございますが、そこにおきましても、三十年から五十年を射程とする中長期目標を策定することとし、必要な作業を進めると、このように位置付けたところでございます。よって、環境省において、今環境庁ではなくて環境省でございますけれども、平成十六年度からは正に中長期的、二〇五〇年というタイムセッティングで脱温暖化社会プロジェクトを開始をいたしております。  それから、昨年の五月には、中央環境審議会の方の国際戦略専門委員会がございますが、そちらにて長期目標に関しての中間報告をまとめていただくなど、中長期的な温暖化対策のビジョンであるとか目標に関する検討を進めているところでございます。  また、そうやって中長期の目標を定めて、そこからの逆算、いわゆるバックキャスティングを行っていくということで、そして現実の今の進み方とすり合わせをしながら目標達成に向けて着実に進めていこうと、このように考えておりますので、よろしく御協力のほど、お願い申し上げます。

○関口昌一君

 力強いお言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。  今環境庁長官と言っちゃったんですが、私の横に元の真鍋環境庁長官がいらっしゃいましたので、ちょっとそちらの意識が強かったものですから。改めて、小池環境大臣、訂正さしていただきます。ありがとうございました。