活動報告

 

164-参-環境委員会-14号 平成18年05月23日

○委員長(福山哲郎君)

 ありがとうございました。  以上で参考人の皆様からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  各参考人の皆様にお願い申し上げます。  御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔な御答弁をお願い申し上げます。  質疑のある方は順次御発言願います。

○関口昌一君

 自由民主党の関口昌一です。  今日は、三人の参考人の皆さん、本当にお忙しいところ、また貴重な御意見を聞かしていただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。  いろいろお話を聞かしていただきましたけど、まず田中参考人の方に伺いたいと思います。  京都議定書目標達成のためにということで一・六%分、これは一億トン分ということでございますが、クレジットで調達するということであります。このクレジットが世界でどれだけ需要が見込まれるのか、ちょっと御意見を聞かしていただければと思います。

○参考人(田中弘君)

 今後のクレジットの需要動向ということでございますが、なかなかとらえ難いというところが正直なところでございます。  と申しますのは、各企業にとりましては、まず、自分のところで削減するということをまず最優先でやるということでございますので、その足りない部分をクレジットで調達して埋めるといいますか、そういうことでございますので、最初からこれだけの量が必要だということはなかなか各企業も発表いたしませんし、公表された資料というものをなかなか我々見付けることができません。  しかしながら、いろいろな情報を収集いたしまして、これ、ちょっと古いんですけれども、二〇〇四年の世銀が発表いたしました統計で、CDMとして需要が二〇一二年までに恐らく十二億五千万トンぐらいあるんじゃないかというデータが出ております。私どもの現場感覚といたしまして、なかなか世界全体のものをとらえるなんということは難しいんですけれども、今のところはこのようなデータが一応出ているということでございます。

○関口昌一君

 これは大変需要と供給のバランスという非常に難しい問題があるかと思います。  先ほど、早川参考人ですね、まず国内対策をしっかり取る、そしてその不足部分をクレジットで賄うという形の中で、ここをしっかり取らないと、この一・六%よりももっとクレジットで賄うというようなことが起きてくると。私も全くそのとおりであるかと思っております。  今世界でどれだけの需要が見込まれるかという質問もさしていただいたんですが、またこれを逆に我が国として、全体としてどれだけの需要が見込まれるか、田中参考人、どのようにお考えでしょうか。

○参考人(田中弘君)

 我が国の需要というお問い合わせでございますが、これも先ほど申し上げましたように公表されたものはございませんで、現在、政府の方は約一億トンぐらいということで発表されておりますけれども、民間企業のところはまとまったデータというものはございません。現在、経団連の自主行動計画の中で、毎年検討を進めながら、見直ししながらどれだけ必要かということを検討しておられると思いますが、二〇〇八年も近づいておりますので、その精度は、これから次第に精度が高まっていくんじゃないかというふうに思っていまして、我々もそれを注目しているというところでございます。

○関口昌一君

 今、世界、また我が国のどれだけ需要が見込まれるかというふうな質問をさせていただきました。そして、これ昨日ですか、昨日の毎日新聞の一面に出ていたんですが、温室効果ガスの排出権、政府が近く購入開始、一億トン、高値の懸念、早期にということであります。このクレジットの今後の動向についてであります。  これは、ここ、新聞を読みますと、排出権の平均価格は現在一トン当たり五から六ドル辺り、今後はこの二倍から五倍ぐらいになるとの予測もあるということでありますが、今現在どのくらいの価格が推移しているか、今後のクレジットの価格の動向についてどのようにお考えか、田中参考人にお伺いいたします。

○参考人(田中弘君)

 これも私どもの現場感覚で、これまで一年半やっておりますと、一年前に比べますと相当上がってきたというふうに思っております。つい先般、世銀が発表しましたレポートによりますと、二〇〇五年でのCDMから出ます排出権の平均価格が七・〇四ドルという数字が出ております。その前年が五・一五ドルでございましたので、二〇〇四年に比べまして二〇〇五年は四割近く上がっているということでございます。  それから、同じレポートで本年の第一・四半期、一月から三月まででございますが、この平均が十一・五六ドルというふうに出ております。十一ドルはかなり高いレベルだと思いますが、七ドルという水準は私どもの活動の中でもそう違和感のないレベルかなと思っておりますが、御承知のように、先般EUの市場で価格が急落いたしました。これはヨーロッパで行われております制度の中でのものでございますので、制度は別でございますが、しかしこれまでEUの価格が相当上がっていたということが心理的に非常に大きな影響ありまして、私どもの活動にも大きな影響あったわけですが、急落いたしました関係で、現在のところ、やや、我々の交渉相手、それから我々もそうですが、今後どういうふうに推移するかをちょっといましばらく様子を見ないと分からないかなというような状況に今現在なっております。

○関口昌一君

 非常に難しい問題が多いかと思います。この需要の問題、そしてこの価格の問題、またクレジットの質の問題もあるかと思います。いろいろ厳しい環境の中での取組だと思いますが、しっかりと対応していただきたいと思っております。  限られた時間ですので、私は、京都議定書、最大の温室効果ガスの排出国であるアメリカが不参加ということであります。私は、これは今後二〇一三年以降の枠組みについて、アメリカを含む、また中国、こうした国々が参加をして世界各国で共通の課題としてこの温暖化対策に取り組まなければいけないと思っておりますが、こうしたアメリカに対する対応、また中国に対する対応について日本はどのように取り組んでいったらいいか、明日香参考人、早川参考人にそれぞれお伺いいたします。

○参考人(明日香壽川君)

 まず、アメリカに対してですが、個人的に申し上げますと、何らかの強い働き掛けが必要であって、今まで働き掛けが利かなかったという現状では、何らかの国際社会におけるサンクションというんでしょうか、そういうものが考えられると、個人的には必要じゃないかと私は常々申し上げております。  それは、具体的には国境税調整のようなものも考えられますし、そのようなコンフリクトをなるべく小さい、かつアメリカに対して何らかのプレッシャーとなるようなものを具体的に考えないと駄目だと思います。ですが、アメリカも政権が替わるとどうなるかちょっと見えないところがありますし、たしか今ゴアが今度映画を作っていまして、今カンヌにいるそうですけれども、そのような動きを期待したいと思います。  中国に対してですけど、アメリカと中国は全然違う国ですし、違うようなアプローチが必要だと思います。御存じのように、中国では例えば二千七百万人の人が電気を使っていない生活をしています。その人たち、中国に対して排出削減を強要することは、みんなに義務付けることは、その人たちはもう一生電気を使うなと、もう発展するなということと同じなんですね。なので、私が考えるのは、一人当たり排出量というのを基準にしまして、公平なルールで世界の国を分けると、その中で中国はどういうポジションになって日本はどういうポジションになると、そのように、いわゆるマルチステージという言葉を使うんですが、そのようなものでそのような枠組みに入るよう中国を説得するべきだとは思います。  以上です。

○参考人(早川光俊君)

 アメリカに対する意見ですけれども、一つの是非私が申し上げたいことは、アメリカに合わせるために京都議定書を緩めてはならないということです。そういう意見が一方でありますけれども、これだけ時間掛けて作ってきた枠組みをやはり維持しながら、アメリカにこれに参加するようやはり働き掛けるべきだろうと思っています。  そこが第一点で、そして私自身は非常にそこは前から楽観的なんですけれども、今アメリカの中でいろいろな動きが起こってきていまして、例えば全米市長会、シアトル市長が呼び掛けて、全米市長会、京都議定書支持の決議を上げていますけれども、百五十市を超えています。東部の州では排出権取引の制度が動き始めていますし、株主訴訟の中でも温暖化対策をちゃんと取っているかというような訴訟が起こってきています。恐らく、カリフォルニアを始めとして、自然エネルギー、再生可能エネルギーについては非常に高い、日本なんかとは比べられないぐらい高い目標を持って動き出していますから、そういった動きが加速すれば、アメリカ自身もやはりいつか戻らざるを得なくなるんではないかと。そして、そのためにも今日議論になっている京都メカニズムをちゃんと動かすこと、しっかりとして二〇一三年以降も継続することを国際社会にはっきりさせることかなと思っています。  中国、インドなどのことについては、私は先進国、要するに今の附属書B国、A国、附属書T国でもいいんですけれども、とは違う目標でいいと思っています。やはり基本的には、明日香さんもおっしゃったように、一人当たり排出量を一つの基準として考えていくべきだと思っていますから、途上国の発展の権利というのはやはり残しておくべきで、そのためにも私たち先進国がきちっと対策を取ると同時に、例えば中国辺りは原単位目標とか、総量削減ではなくて原単位目標とか様々ないろんな方策が考えられていいんだろうと思うんです。そういう形でできる範囲でのことをやる、そしてまたそのできることを例えばCDMを通じてサポートしていく、そういう形を取っていくべきだというふうに思っています。  以上です。

○関口昌一君

 もう時間が参りましたので、質問をもう最後で終わらせていただきますが、本当に三人の参考人の方々、限られた時間でしたので隅々まで質問できなかったんですが、いろいろ参考意見を聞かしていただいて、誠にありがとうございました。国内対策をしっかり取って、本来であると、その目標達成、クレジット調達しなくて済むような形での対策が取れればいいんでありますが、これも含めて安定的なクレジットが調達できるように、また財政的な面も含めていろいろ政府に対して所要の処置をしっかりととっていくように私どもも要望もしてまいりたいと思う次第であります。  今日は本当にお忙しいところ、いろいろ御意見を聞かしていただきまして、誠にありがとうございました。